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今日も朝「ついでだから車に乗っていきなよ」と娘の学校の同級生の親御さんにダウンタウンの職場まで乗せてもらいました。ウィニペガーは本当に親切。ありがたいことです。

車で送ってもらうと早く到着するため、職場の建物内のベンチで小説を読むことにしています。『オー!ファーザー』というタイトルの伊坂幸太郎の作品を初めて読んでいますが、とても読みやすくて面白い。もう読み終わってしまうのが残念なくらいです。そして、日本語の本が手に入りづらいのでこれでしばらく小説を読めなくなるのが寂しいです。

あなたはどんな小説が好きですか?

私は短編小説の大家、星新一の作品を読み始めてから小説を読み始めるようになり、そして自分でも短編小説を書くようになりました。数十篇の短編を書き、その中では活字になったものもありました。そして、大きなコンテストに応募したのは長編の時代小説。第一次、第二次選考を残り、最終選考には選ばれませんでしたが、長編を書き終えたことが自信につながりました。(大賞賞金の200万円、欲しかったな~)

小説を書く人によって、想起の仕方が違うかと思います。理念やテーマから書き始める人や登場人物を中心に仕上げていく人もいます。

私の場合は「これは書けそうだ」というキーワードやフレーズ、現象から書き始めるという感じです。

例えば、身近の出来事をもとに書いてみますと・・・(以下、小説風)

昼時の戦場のようなキッチンはいつものことだが、尋常ではない数のピザを焼かなければならなくなる金曜日は赤いピザソースが血しぶきのように白いユニフォームを汚していく。

「おそい!もっと早く焼いていかないと間に合わないぞ!」

まだどの具材をどのピザ生地に載せなければならないのか覚えていないため、私の手元が覚束ないのである。

「おい!このシーフードピザが焼きあがっていないけど、どうしてだ?オーダー確認したか?」

作ったはずのピザが出来上がっていない。どうやら私が間違えて小さいサイズで焼いてしまったようだ。

「なんで具材が均等に散らばっていないんだ。忙しくてももっと丁寧に作れ!」

戦場では雷も落ちてくる。

先ほどのサイズを間違えたピザは私のミスの象徴としてしばらくキッチンに飾られ、そしてそのまま廃棄に……。ああ、もったいない。

申し訳なさと、自分の力不足で心が痛んでくる。今日のたった1時間半だけで何回ミスをしたことだろう。

時間やオーダーの量に追われることの重たさ。これから果たして耐えられるのだろうか?

ランチのラッシュが過ぎてからシェフが私の持ち場に向かって来る。自然と身が固まる。

「おい、今日はどうだった?」

「こんなに金曜日が忙しくなるとは思いませんでした。数々のミスをしてしまいすみません」

「どうだ?痛いだろ、ここが?」

返り血のようなピザソースがついた胸の真ん中、心臓を指している。

確かに「私は動作が遅い」「食材を無駄にしてしまった」「チームワークを乱してしまった」などの罪悪感が心を重く、痛くしていた。

「初めてのことや、慣れていないことで負荷がかかると筋肉痛になるよな。知っているか?心にも筋肉痛があるんだよ」

心の筋肉痛?」

「そうだ、筋肉痛になった程度で「こりゃつらい、自分じゃダメだ」なんて思ってしまうのはもったいないと思わないか?例えば、スキーをしたことがないのにいきなりリフトで上まで連れていかれて滑らされたら、転ぶのは当たり前だし、使っていない筋肉を使うのだから筋肉痛になる。さっき肉体の筋肉はさほど使わなかったけど、お前はお前の心をキッチンのために使ってくれた。今は重たく、痛いかもしれないが、すぐ慣れるぞ。そして慣れると楽しくなる」

怒られると思っていただけに、作っていたピザ生地に涙の塩味が加えられそうになった。

できれば傾斜がゆるやかな雪山のふもとで、ボーゲンから教えてくれたら助かるのだが、キッチンはお客さんのオーダー数によって今日のようにこぶ山スタートという日もある。

すべてを知り尽くしているインストラクターのようなシェフがいてくれたからこそ、今回は筋肉痛程度で済んでいるのかもしれない。

筋肉痛は当たり前だが不治の病ではない、むしろ筋肉痛を味わったら筋肉は強くなっていくのではないか?

寝て、起きたらきっと心の筋肉痛も治っていることだろう。

いや、年をとってからというもの2日後にもっと筋肉痛になることが多くなってきているのだが・・・。

終わり

私の小説作りはこんな感じで「心の筋肉痛」というキーワードが出てきて、今の状況に当てはまりそう(=何だか書けそうだ!という直感)ということになると上記のような小説の一節になるのです。

「ボルさんのところのシェフって、本当に良い人ね」と思ってくださった方、申し訳ありません。以上のシェフとのやりとりは私の創作でして、シェフには怒られはすれども、慰められるということはありません。ちょっとでも「本当にこういう会話ありそうだよな」と思っていただけるように書いていくのが小説の妙なのだと思っています。

いずれ、『カナダ永住権獲得への流れ』を小説風に書いてみようかな。なんちゃって。

あなたの今日の心の筋肉痛も次なる力強さとなりますように。

それでは、また。

※備忘録(前回の投稿から今回までの支出)
【合計192.6ドル】

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