カナダ・マニトバ州ウィニペグで不動産投資の夢を追ってみる。その2

家族で日本から2016年7月にカナダ・マニトバ州ウィニペグに移住して1年間はコンドミニアム(アパートやマンションなどの集合住宅の総称、以下コンド)に住んでいました。

1年後の2017年7月に中古の一軒家を購入した際には「カナダに来たばかりでまだ左右もわからない時期に本当に買えた。永住権がまだない状態で、英語が苦手な私でよく購入できたものだ」と感動したと同時に、購入プロセスのストレスでゲッソリした思い出があります。

一軒家を買おうと思った理由は2つあります。

まず、子ども達がコンドで騒がしすぎて「お隣さんや下の階の人に迷惑がかかるでしょ」と何度も注意しているうちに「このままじゃみんなにとって良くない(みんなとは親子関係、隣人関係含む)」と思うようになったことです。同時にコンドで上の階の騒音問題で悩まされたことや、大麻の臭いがしてくるのも辟易していたため、一軒家だったらストレスなくのびのびと過ごすことができるようになるのではないかと考え始めました。

二つ目の理由として、マニトバ州ウィニペグの家の値段がカナダの大都市やほかの州に比べて格段に安かったことが挙げられます。

2016年当時、近所で売りに出されていた一軒家の売り価格を調べてみたところ、あまりの安さに驚いて「これって建物だけの価格?それとも土地付きでこの価格なの?」と語学学校の先生に聞いてしまったくらいです。

東京都を除く日本の100万人以上都市でマンションの一室を買うのと同じくらいの価格帯で一軒家の土地と建物が買えるのですから今後の資産価値を考え、これは早めに買っておかなければと思ったことが一軒家購入の主な動機となりました。

この一軒目を無事に購入できた時点で「よし、カナダで不動産投資の第一歩目を歩みだせた」と実感しました。思えば約8年前からカナダで不動産投資を考え始めていたように思います。


(2017年7月当時、買ったばかりの家にて記念撮影)

日本やカナダの大都市ではできないけど、ウィニペグだったらできそうですからね。

ウィニペグだからということで日本との比較をちょっと考えてみますと……、

・日本だと地震があり不動産がダメージを負いますが、ウィニペグでは地震がないため比較的不動産が長持ちします。

・日本では人口が減少して空き家が増えてきていますが、カナダでは人口が増えて住宅が足りないから需給の関係で不動産は年々値上がりしています。コロナ後に安くなるだろうと予測されていたにもかかわらずいまだに高いままですし、供給不足はまだまだ続きそうです。

・日本だと一軒家を買ってすぐ売ったら資産価値がガクンと下がってしまいますが、カナダだと資産価値はあまり変わりません。長く住んだら価値が上がっていたなんてことにもなります。

日本のように土地を買って、その上に新築を立ててというのはほとんどなく、カナダではビンテージのような中古物件を買うことがほとんどです。多民族国家だからかいろんな事情で引っ越しをする人が多いため、不動産売買が盛んのような気がします。

 

移住したての人たちの多くがまずはコンドに住んでから、数年後に(主に永住権が取れてから)その時売りに出ている一軒家を探し始めたり、コンドを分譲として購入するように見受けられます。

コンドを購入してしばらくお金を貯めてから一軒家を買って、今まで住んでいたコンドを貸すという不動産投資をする人が私の周りでもいまして、日本人が少ないウィニペグにおいて、少なくとも日本人家族の5組(旦那さんがカナダ人というご家族が多いです)が不動産投資をしているのには驚きました。

その不動産投資をはじめられたある日本人ママさんに「どうやったら始められるのですか?」と聞いたことがあります。

この手のお金にかかわる会話って難しいですよね。

例えば「いくらで貸しているのですか?」と聞くのは相手の家計のことに土足で踏み込むような質問になるからです。それに、今まで苦労してようやく不動産投資ができるようになった人からしてみれば、美味しい情報だけをクレクレされて持っていかれるとしたらモヤモヤすることでしょう。

でも、不動産って大きな買い物になりますから、どうしても聞いてみたくなってしまったのです。

「新しい家を買うことにして、今まで住んでいた家を売ろうかと思ったけど貸すことにしただけよ」というお答えをいただいただけで、その後あまり深くは聞くことができませんでした。ただ、「貸すことができて良かったと今でも思っているわ」とおっしゃっていたのを聞いて、私の不動産投資へのモチベーションが高まっていったのでした。

モチベーションが高まる一方で、不動産投資への不安というものも存在していまして、実際に行動へ移すことに逡巡してしまうのです。

ある時、カナダ人の同僚に「そんなに稼いでいてなんで不動産投資はしなかったの?」と聞いてみたところ、

「だって、何だか怖いじゃん。誰も入居しない期間があったとしたらモーゲージを自腹でずっと払わなければならないし、入居者が悪いやつならばゴミ屋敷にされたり、家賃を踏み倒される恐れもあったりするわけだろう?ちょっとしたギャンブルだよ。それに、急で大きな出費や管理の手配、面倒くさいことはごめんだからね」とのこと。まさに私が考えていた不動産投資への不安をすべて言い表してくれたと思いました。

ちなみにそのカナダ人は「今が楽しめれば良いんだよ。貯金なんかしない」という典型的?なカナダ人なので、不動産投資をするような頭金など貯めないんだと思います。面倒くさいこと大嫌いですしねw。(←失礼かな?でも多いんですよLazyで浪費家のカナダ人)

さて、私たち家族の話になりますが、その頭金さえ貯蓄できれば次のステップに移れるようになるのではないかと考えて、不動産価格の25%の頭金を目安に夫婦共働きで約5年、ただひたすら貯金に励みました。

頭金(700~800万円)+生活費&予備費として100万円が貯まる時期を買うタイミングと定めて、物件を探し始めます。

MSLというサイトをよく使いました。

どの地域で、どのスペック(仕様)の家を選ぶのか。

貸すためには一軒家がいいか、コンドがいいか。

悩むところですが、大前提として『その時に売りに出されていて気に入った物件』でなければなりません。これは中古車を探すのに似ています。

カナダでは6月下旬に夏休みに入って、新学期がはじまる9月初旬までに比較的多く売りに出されますが、冬の場合だと選べる物件が少なく、スペックも限られます。

一軒家を買う良いところは、自分たちでリフォームできて資産価値をあげることができること。

リフォームを特にしなくても一軒家の市場価値自体は下がることは今現在ほぼありません。住宅保険はコンドの倍以上する場合がありますが、共益費を払う必要がないため家賃から得られる収益がコンドより高くなります。

一方、一軒家の悪いところは、自己管理の責任範囲が広いところです。借りる人が入るまでリフォームをきちんとして、屋根の修繕や空調などのメンテナンスに責任をもたなければなりません。しかも、借りる人が庭の芝刈りをしないと行政から罰金がきますし、雪かきをしない人だったらもし家の前の歩道が凍っていて転んで骨折をした人がいたらうちが訴えられて保険の問題になりえます。

その点、コンドは雪かきや芝刈りを含むメンテナンスを管理人がやってくれますし、水道代や駐車場代なども共益費の中に含まれる場合があります。忙しい人(マメじゃない人)や短期間しか住まない入居者さんにとってはコンドが向いていることでしょう。貸す側としても「メンテナンスに毎月お金を払うことになっても、しっかり管理してくれるならそっちのほうが楽でいい」とコンドを投資物件として迷わず選ぶ人は少なくありません。

コンドのデメリットとしては建物の経年劣化に比例して共益費が高くなるところと、様々なルールに縛られること。貸す側のリスクとして家賃滞納や夜逃げなどが生じやすいところも挙げられます。一番のネックはコンドを売るときに資産価値が上がっていないばかりか、下がってしまう可能性があるため、ほぼ確実に上がっている一軒家を売る時(地域によっては買った時の倍になって売れたということも)との差が将来の資産形成の違いを生むのが悩ましいところです。

 

私はDIYができますし、一軒家を管理してきた経験があるため一軒家を投資物件として購入したいのですが、妻は不動産投資の初心者向けとしてコンドを購入したほうがキャッシュフローが安定しやすいのではないかと考えます。

あなたがカナダに移住したばかりだとして、最初に住むのはどちらが良いですか?

よくよく考えてみたら、実際は【一軒家 vs コンド】という図式ではなくて、

1,ウィニペグに移住したての頃はまだ車がないから、歩いてスーパーに行けるところ。

2,治安が良いところ。

3,子どもが通えるデイケアや学校があるところ。

4,職場の近くで安いところ。

など、優先順位やその人にとっての必要十分条件に従って住む場所が決まっていくのかもしれませんね。

これらを踏まえて、『ウィニペグに来たばかりの日本人の方が、歩いてスーパーに行ける距離で治安が良い場所』を中心に探し始めました。

意外と見つけるのが難しいのですよね。良いところはすぐに売れてしまうし、まだ売りに出しているところが少ないですから……。

それでも、リアルターさんを見つけ、モーゲージブローカー(モーゲージスペシャリストやモーゲージプロフェッショナルともいう)にいくらの物件までなら買えるのかなどを相談しながら、前に進んでいく様子を次回のブログで書いてみたいと思います。

長文にお付き合いいただいてありがとうございます。

それでは、また。

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