カナダ・マニトバ州ウィニペグで不動産投資の夢を追ってみる。その4
※今回も長文になってしまいました。お時間があるときにお読みください。尚、このシリーズは次回の「その5」で一旦終了となり、やがて有料記事になる予定です。
物件探しをお願いしている買い手側のリアルターは「この物件を内覧したい」と私のような購入見込み客から連絡がくると、売り手側のリアルターに連絡して「この日のこの時間に内覧したいから(まだ住んでいる人がいるなら)家を空けておいてほしい」と連絡しスケジュールを調整してくれます。
前回のブログ記事に書きましたジョンさんというリアルターと共に何件か物件の内覧をしていました。ジョンさんは買い手側のリアルターであり、売り手側のリアルターではないからジョンさん自身も私と一緒に初めてその物件に入ることになります。
夕方6時くらいに内覧をお願いしてしまうとまだ住んでいる住人の料理の準備があり「ああ、売主は夕飯の支度を済ませたかっただろうに申し訳ない」と思うことがあったり、ネコだけが部屋に残されていて見ず知らずの私たちに甘えてくるなんてこともあって、生活感のある内覧を何度か経験しました。すでに空室になっている物件を内覧するほうが少なかったものです。
ジョンさんは一緒にダメージ個所を探したり、建物の年代を確認しながら、1990年以降に建てられた物件じゃないとアスベストの危険性があるとか、1960年以降の上下水道管のほうがよいなどちょっとした豆知識を教えてくれたりと本当に頼りになります。(たまに英語が早すぎて、しかも専門用語(特に建物の構造や素材など)がありすぎて何言っているのかわからないw)
ある時、物件紹介サイトの写真が新築のようにキレイだったからジョンさんと内覧に行ってドアをあけてみたら、もうゴミ屋敷かってくらい汚くてビックリしたと同時に、本気で売る気あるのか?とイラっとしましたよ。
売り広告の写真は信用できない時がありますから、期待しないで見に行ったほうがよいです。
写真にはお風呂がなかったけど、現地に行って変な湯船に気づくなんてこともありますからね。
(なんだ?このお風呂は?シャワーなくて浸かるだけか?)
(ドアがないカーテンで仕切られている洗面所w)
とにかく行ってみなければわからないから現地に行くんですけど、もう、詐欺か!ってくらい物件案内の情報やイメージ写真と違うこともあって怒るのを通り越して呆れてきます。
あるコンドの部屋なんかカレー(クミン?)の臭いなのか、脇汗の臭いなのかわからない異臭が染みついているようで「住めるか!(Smellか!)」って心の中でツッコんでいましたよ。
そのほか、窓の劣化やドアのゆがみ、床の傾き、きしみの音なども物件情報ではわからないだけに行ってみてガッカリするパターンになるのです。
そのほかガッカリしたのは、『55+(フィフティーファイブプラス)』って物件概要に載っているコンド。
どういう意味か知っていますか?
55歳以降の人じゃないと買えないよという物件でした。
せっかくスーパーが目の前でバスのルートが良い物件を見つけたのに55+物件であきらめるしかなかったのがガッカリです。(物件検索で55+の物件がリストに載らないようにすることができないのが不思議だった)
もっとガッカリしたのは、理想的な立地で手ごろなコンドを見つけていよいよオファーしようということになったら、売り側の後出しで「入居は2か月半後でお願いします」だって……。こっちは1か月半後の決まった日にちでカギを手に入れたいのに、さすがに2か月半は待てないため諦めるしかなかったのです。
そもそも、オファーしてから鍵の受け渡し(Possession Day)までどのくらいの日数が必要なのかわかりません。
リアルターに聞いてみても「売り手側の問題や、こっちのファイナンシャルな問題、手続き上の問題などが起こりうるから何とも言えないけど、だいたい3週間くらいかな」とのこと。
オファーを受け入れてもらってから家の検査(インスペクション)で物件にどのようなダメージやこれからいくらくらい修繕でかかるかを確認してもらい、もし深刻なダメージが見つかった場合は1週間のクーリングオフ期間のうちに購入をキャンセルすることができます。
「このクーリングオフの1週間なんていらないから早く手続きさせてくれ」と買い手側が思っても、法律で一週間は消費者を守ることが義務付けられているため、少なくとも一週間は次のステップに移ることを待たなければなりません。
一週間といえば、モーゲージ(住宅ローン)が金融機関から正式に承認される期間も1週間以内で決着をつけなければならないし、弁護士手続きでも1週間以内といわれたこともあり、どの一週間の話をしているのかたまにわからなくなることがありました。(今でもよくわかっていませんw)
今回の私の場合、オファー受諾から3週間くらいで手続きが終了しました。
注意事項として、あらかじめPossession Day(物件所有引き渡し日)は平日でお仕事が休みやすいもしくは早退しやすい日を選んだほうが良いと思います。弁護士事務所は土日が休みなことが多いですからね。
今思えば、日本からのお客様に入居いただく期日の1か月前になっても、気に入った物件が見つからなかった時が一番病んでいたと思います。
もう期日までの購入はあきらめたほうがよいかもと思っていたら、妻がペンビナ通り近くの新興住宅地にある新築コンドミニアムの分譲の情報をネットから見つけてくれたのです。
スーパーマーケットまで歩いて10分くらいかかってしまいますが、それでも何もないよりましですし、新築だったらリフォームする必要もない、さらに共益費(コンドフィー)が月250ドルと新築ならではの安さなのも魅力でした。
(階数が上がると価格もあがり、さらに2ベッドルームになると300,000ドル台になってしまい買えませんでした)
239,900カナダドルが売値でしたが、値引きオファーをし、ジョンさんをはさんで度重なるスマホのテキストメッセージによる交渉の末、C$236,900でオファーが通りました。(実に約30万円の値引きに成功したことになります。あまりリアルターに気を遣わず強気で交渉するのがよいかと思います。だって他の人種の方々なんてもっと図々しいですからねw)
買い手側のオファーが売り手側に受け入れられたら、まず5,000ドルのディポジット(仮払金)を個人用小切手かバンクドラフトをリアルターに手渡す必要がありました。これは契約の覚悟を問われるようなもので「やっぱや~めた!」なんてならないための保証金のようなものです。(物件の購入金の一部になりますのでご安心を)
一軒家の購入の場合、オファー受付日が設定され、多くの見込み客による入札が行われ値が上がっていくイメージですが、コンドの場合は、同じようなスペックの部屋がまだ何軒も売れ残っている場合、値引きされることがあるようです。これは新築だからというのと、周辺地域でコンドが乱立しすぎているため分譲が供給過多になっていたという理由もあり、このタイミングで買えたのはラッキーでした。
ですから、古くて共益費が高いけど購入金額が安いコンドを買うよりも、新しくて共益費が安く、ちょっと値が張るコンドを買うというほうが貸しやすいし投資価値を考えたらよいのかもと考えられます。
しかし、以前もブログで書いたように、探しているその時にすでに売られている物件から選ばなければいけませんから、タイミングや勢い、そして立地がすべてだとも思います。
数少ない売り物件をその時期に引越ししたい人たちで取り合うイメージがありますので、物件を買うまでの期日が決まっている人と、ゆっくり探せる人とで多少プロセスや心持ちが違ってきます。
まず、リアルターとの物件の巡り方や巡る数、相手側のリアルターとの交渉の仕方が違ってきます。余裕がないと売り手側から足元を見られる傾向がありますからね。
次に、例えばゆっくり探していると、モーゲージ担当との書類のアップデートが必要になってくる場合があります。
モーゲージ担当からプレアプルーバル(金融機関からのモーゲージの事前承認)の一要素として「本当にその職場にあなたがまだ在籍しているか」のエンプロイメントレター(雇用証明書)を作ってもらっていたとしても、物件購入で時間が経ってしまうと最新情報をその都度アップしなければならず、例えば雇用証明書の発行後1か月経ってしまったら本当にまだ働いているかを確実にするために再度雇用証明書を職場にお願いして作ってもらわなければならなくなるなんてこともあり得ます。(2か月くらいまでなら大丈夫というところもありますが、1か月ごとに再提出という厳しいところもあるようです)
ですから、【雇用証明書を会社からもらい、モーゲージ担当に提出してからプレアプルーバルという事前承認をもらったら1か月以内で物件を決めてオファーする】という心持ちでいたほうが良いと思うのです。
つまり、事前承認をもらってからゆっくり探すと最新版の書類の再提出など面倒くさいことになるため、あらかじめゆっくりとホームページなどで物件を吟味しておいて、これぞ!という物件を数件見つけたらモーゲージ担当に事前承認をお願いする(雇用証明書も会社にお願いするも含まれる)という流れにしておいたほうがよいでしょう。
ちょっと話はそれますが、家を買うことを職場に知られたくないというのは、同僚に知られたくない程度なら可能ですが、雇用証明書を発行したり、金融機関から確認の電話がかかってくる以上、会社に家の購入を隠すことはできないことでしょう。
私はボスに2軒目を買うことについて話さず、人事の女性事務員(以下、HR)にのみ「雇用証明書を作ってください」とお願いしていました。HRが作成してくれたエンプロイメントレターにはフルタイムと書いてあったのですが、パーマネントのフルタイムなのか、季節工のようなシーズナルなフルタイムなのかが明確になっていないし、週に40時間労働はギャランティー(保証)されているかが抜けているから書き直してほしいと金融機関がモーゲージ担当者を通じて連絡してきたのでした。そしてモーゲージ担当者から電話でHRに説明したところうちの会社のボスに相談するということになったのです。
HRがボスと話し合ったのち、私がボスに呼ばれました。
「どうしてこんな要求の多い雇用証明書が必要なんだ?」と疑心暗鬼のもと詰問調に聞かれてしまい、「週に40時間を保証するなんて書面で残すことはできない」と言われてしまったのです!(保証できない理由は例えばもし停電などがあった場合、仕事ができなくなりその分の時間の給料分は保証できないから)
もっと早くボスに正直に伝えていたらこんな面倒くさいことにならなかったはずです。
このままではモーゲージ手続きに必要な書類が完成しない恐れが出てきたのでした。(たったギャランティーという言葉がないだけで)
「え?ここで詰んでしまうの?」かと絶望的な気持ちになりました。
しかし、モーゲージ担当の広子さんが金融機関に交渉してくれてギャランティーの言葉は入れなくても書類を通してくれました。(感謝しかない!)
このような手続きって、どこにどのような落とし穴があるかわからないのが怖いですよね。なんか、永住権申請時の書類提出プロセスを思い出しましたよ。まぁ、あの時のほうが3倍くらい大変でストレスでしたけど。
物件を買えた時には会社にティムホートンズのドーナツ12個入の箱を持って行って「これ、雇用証明書を作ってくれたお礼です」とか「先日、早退してしまってすみません」、「おかげで投資物件が買えました」などお礼をしながら一つ一つドーナツの箱を運んで選んでもらいましたよ。職場に物件購入を隠すよりも、あらかじめ味方につけてしまったほうがよいかもしれませんね。
ちなみに一連の物件購入プロセスにおいて、職場を早退しなければならなかった日は2日間。
1日目はオファーが受け入れられた後、弁護士と契約書の草案作りについての説明を電話ミーティングでするため、1時間早く3時半に退社しました。(電話で15分ほど要確認事項を説明してもらっただけでした)
2日目は、弁護士とのクロージング(決済手続き)日で、ランチ時間になって午後は半休をもらいました。
この早退の理由を説明するためにも、あらかじめ家を買うことを伝えておくとスムーズにいくことでしょう。
これらの手続きを全部独りでやらなければならないとしたら本当に大変です。
もし、あなたがカナダで不動産を購入する時には、信頼できて波長のあうリアルターとコンビを組んで、同時にモーゲージ担当さんにお願いして助けてもらいましょう。
リアルターもモーゲージ担当もクロージング日およびPossession Dayまで並走してくれるはずですから……。
今回も長くなってしまいましたので、クロージングやPossession、弁護士さんとのやり取りについては次回のブログ記事で書いてみたいと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
それでは、また。
P.S. 上記でご紹介した物件は8月3日から入居可能です。7月13日あたりから本格的に広告を入れて入居者を募集してしまいますのでご予定がある方は今すぐご連絡ください。(ためしにフェイスブックのマーケットプレイスで募集してみたら毎日のように問い合わせが来ました。インド系の方が8割でした。日本人の方に貸せたら嬉しいです)
物件の詳しい内容はこちらのページとなります。