カナダグースでオーバータイムも頑張っています。他、職場の良いところ。
昨日、2022年2月19日の土曜日は、5時間のオーバータイム(=残業)に参加して稼いできましたよ。
残業は給料にプレミアムが1.5倍つくので5時間働いて、7.5時間分の給料がもらえるのが嬉しいです。(以下、月ごとのサラリーではなく、【時間給労働者の場合の話】になります)
この土曜日の残業は、月曜日から金曜日まで休まずに出勤という『8時間のフルタイム勤務×5日間=40時間』になっている人じゃないとプレミアムが付きません。
例えば、水曜日に休んでしまったけど、土曜日出られるから出たら「なんでプレミアム(=1.5倍の時給)がついていないの?」と不思議に思う従業員がいます。
これは法律?規定?で、週40時間以上か、一日8時間以上働かないと残業しても残業分のプレミアム1.5倍がつかないよというルールがあるからなのです。
ですから、土曜日の残業は出られるのにすでに週の途中で休んでしまっていたらプレミアムがつかないため、そのような人は土曜日の残業を断る率が高いです。私も子どもの世話で出勤できなかった日があった週は、土曜日は無理して出ないようにしています。出てもいいのですが、1.5倍にならないのがなんだか損した気分になるため出勤しないことを選ぶのです。(残業は強制ではなく希望者だけです)
繰り返しとなりますが、週40時間(一日8時間)以上の就労でプレミアムがもらえるのという前提ともう一つ、一日8時間以上働くと8時間労働以上の時給は1.5倍になるという二つの前提があります。
例えば、1日10時間働いたら10時間-8時間=2時間分はオーバータイムになりますので、2時間分は1.5倍のお金がもらえるのです。これもたまに勘違いする従業員がいまして「遅刻したからいつもより2時間おそくまで残業したけど2時間分がプレミアムになっていなかった」とクレームをするのですが、8時間以上働いてからの労働時給がプレミアム対象なので、いくら夜遅くまで残業してもその日に8時間以上働いていなかったらオーバータイムのプレミアム1.5倍はつかないのです。
残業というと日本では遅くまで働くという意味でつかわれることが多いため、午後出社(13時)で残業21時までしたというのが「会社に残って仕事をした」というイメージで残業っぽくみられがちですが、カナダでは午後出社で21時までだと8時間以内なので残業代(プレミアム)がつかないという認識があります。
このように考えると、日本人にとって残業という言葉やイメージが、カナダにおけるオーバータイムという概念と若干違うということがわかってきます。
残業しているというと悲壮感が漂いがちですが、オーバータイムをもらっていると思うとその機会をありがたく感じ、ついつい頑張ってしまうのです。
新卒で日本で某新聞社系列で会社勤めをしていた9年間は、朝早くから遅くまで残業、数字を求められ、人間関係に悩み、不毛な飲み会に参加するというのが当たり前でしたから、時給換算したらいくらになるのか考えるとよく落ち込んだものです。(若い時に時給換算してみたら時給600円くらいでした。涙)
カナダで働いてみて、職場の人間関係は良く、飲み会はないですし、時給に見合った働き方と法律に沿った給料計算になっているため「もしかしたら昔より楽に稼げているのかもしれない」と思う時が多々あります。最低賃金で働いていますから『昔より多く稼げている』というわけではありませんが少なくとも割にあっているとは思うのです。
特に私はカナダグースの工場勤務で縫子として単純作業をしていますから本当に楽。ミシン仕事がこんなにも好きになるとは思ってもいませんでした。だって、頭で考え事をしていても勝手に手が動いているんですもん。
ある時「今日は頑張らずにゆっくりやろう」と思ってコンピューターに作業開始の番号を入力して、作業終了後に作業時間と効率を確認すると、いつもと変わらない時間で縫い上げていたなんてことがありました。(←私の場合であって、勤続2年くらい経ってこんな感じです)
同僚や上司にフィリピン人(特に中年女性)が多く、彼らの底抜けの明るさや優しさには尊敬の念を抱きます。
先日2月14日の月曜日はバレンタインズデーで、翌15日に隣で働いていたフィリピン人のおばちゃん(60歳代)から話しかけられました。
「昨日のバレンタインズデーは何かお祝いをしたかい?あれ?日本では祝わないんだっけ?」
「日本では、女性が男性にチョコレートをあげるのが慣習になっているよ。主に若い人たちのイベントって感じかな」
「なんだい、あんたは奥さんに花束のひとつもあげなかったってことかい?」
「え、花束? あなたは旦那さんから花束をもらったの?」
ミシンの音がうるさいのと、マスク越しの声が聴きとりづらいのですが、会話を続けます。
「それが忘れていやがってさ!花束も何もくれなかったから、あたいがあいつにキッスをしてやったんだよ」
ん??
ロマンチックな話になるのか?
「お~スイート(優しい)だね」
彼女は笑っていたので、調子に乗ってこう聞いてみました。
「どこに(キス)したのさ?」
「どこって、お尻だよ」
へ??
そっち方面寄りのロマンチックな話なの??
それともそのような習慣があるの???
「バレンタインズデーなのに何もくれないから、あたいは思いっきりあいつのケツをキックしてやったのさ」
だって。
キッスとキックを聞き間違えたようですw。
間違えていたことを話すとカラカラと大きな声で笑い、ほかの同僚に説明しだし、その同僚がまたほかの同僚に話すというルーティーンが一連の作業のように仕事場(ライン)に流れていきます(←ちゃんと仕事を流そうよ!w)
ある時なんか、久しぶりの違う作業で縫い方を忘れてしまった時、
「あら珍しい、Kazu(←私の名前)がこの仕事のやり方を忘れちゃったんだって!」
と、おばさんフィリピン人が面白おかしく他のフィリピン人同僚に話しかけます。
すると、またその話は仲間内で伝わっていき、とうとうフィリピン人のスーパーバイザー(上司。面白くて最高のボスだと思う)が登場。
「Hello Kazu! My name is Mark」と、記憶喪失者に話しかけるようにゆっくりと自己紹介を始めます。
さも「(仕事は忘れても)上司である僕を忘れていないよね」という演出をするので「そこから始めるのか!」とみんなも大爆笑。(私は英語さえも忘れてしまったというオチをつけてさらに笑かしました)
このやりとりももはや鉄板ギャグといいますか、ルーティーンとなっていて、なんだか関西系のノリと感じるのは私だけでしょうか。
たまたま私が所属するラインがこんな感じなのかもしれませんが、職場環境には恵まれていると思います。
ちなみに多くのフィリピン人がMサイズの「ミディアム」を「ミジュ(ム)」と言い、チャックの「ジッパー」を「シーパー」と発音します。彼らはその発音が世界共通と思っているようで、実際に慣れてくると私もミジュと使ってしまっています(関西弁がうつるのと同じような感じw)。
この職場の良いところはフィリピン料理がたまにふるまわれることです。これが本当に美味しい!(太るけど)
上の写真のように揚げ物やビーフンがアジアンチックでよく出されますが、海鮮系が特に美味しいですよ。
最後に、カナダグースで勤めていて良かったと思うところは、カナダグースのグッズ、特に暖かいジャケットなどが市場価格の4分の1、5分の1くらいの値段で買えるところです。
セカンドセールと呼ばれているアウトレット商品(少々難あり品)を売る時期が年に2,3回あって、従業員は家族分にと一回のセールで最高5着まで買えます。(友達用にというのはNG,さらに売ってしまうと解雇などのペナルティがある)
自分たちが携わってきたジャケットを自分で着られるというのはやはり気持ち良いものです。いつの間にか帰属意識が芽生えているのですよね。カナダグースを着ている人を見かけると仲間のように感じますw。
来月に入ると、妻をカナダグースに紹介して6か月が経つため、紹介料の250ドルがもらえ、さらに妻が優秀な縫子(会社が定める100%以上の仕事効率を維持)になってくれたおかげでさらに250ドルが追加される見込みです。※追記。無事に『Bonus Referral』という給与項目で(税金を引かれますが)500ドルをいただけました。
マニトバは日本人が働ける職場が少ないといわれていますが、カナダグースは日本人も働きやすい職場の一つだと思います。(カナダグースのHRに聞いたところ、6か月以上働いて、仕事効率が社内基準の100%以上に達している人(=これは難しい!)にはMPNPのサポートがあるそうです。(2022年2月現在)
今週はマイナス30度以上になる日が続きますので、カナダグースジャケットを着て通勤時に凍傷にならないよう気を付けたいと思います。
あなたにとっても今週が素敵な一週間となりますように。
それでは、また。
毎週、楽しいお話ありがとうございます。
カナダグースのお話、とても興味深く読ませていただいています。
夫婦で同じ職場って素敵ですね。ウィニペグなのに、陽気な南国のような
雰囲気が羨ましいです。楽しく笑顔でお仕事されている様子が伝わって
こちらもなぜか嬉しくなります。
ところで風の噂でカナダグースはもう、永住権のサポートはしない、みたいな
話を聞いたことがあるのですが、本当なのでしょうか。
七海さん、コメントありがとうございます。
南国で思い出しましたが、工場内の温度が一定なので、半袖で作業ができるのがいいです。
永住権のサポートの件、どうなんでしょう。だいぶ変わりましたからね。
今度機会があったらHRに聞いてみます。