カナダ、ウィニペグの表と裏の側面を実感する出来事。

比較的暖かかった日が続きましたが今夜から雪が降り、またマイナス10度以下の日が続くようです。

今日はどこも行く予定がなかったので、ランチに久しぶりにマクドナルドに行きました。
雪が解けて水浸しになっている公園では遊べないため、どこかしら出かけてエネルギーを発散させる必要があります。ちょっと遠いマクドナルドですがプレイルームがあるので子ども達は大喜び。

住宅地近くにあるマクドナルドに行くと、高齢者の多さに驚きますし、寒さしのぎのためにホームレスが入ってくるため体臭の臭さにも驚かされます。

もっと驚いたのが今日の出来事。

「女性用トイレの個室内で倒れている人がいるの」

注文し終わってトイレへ手を洗いに行った妻が慌てて戻ってきました。
「Are you OK?」と妻が聞いても「ウ~ン」と唸っていて、用をたしているわけでもなく、足だけ個室から出ている状態です。

私はすぐにマックの店員にそのことを伝えて、自分たちのテーブルに戻りました。

その後、数分しても何も変わらず。

いくら店内が忙しくても倒れている人をそのままにしておくというのはどういうことでしょう?

娘がトイレに行きたいというので妻と共に行ったら、いまだに個室で唸っているとのこと。

「死んじゃうのかな、あの人」

娘も怖がっています。

誰も助けようとしないというか、関わろうとしません。

ようやく到着したのが救急車じゃなくて消防レスキュー車。

外から個室のドアが開かないため呼ばれたのでしょうか?

そしてさらに10分後。

次こそは救急車だろうと思ったら「Cadets(警察補助士官候補生)」の車が到着です。

その後、「なるほど、これがカナダの別の側面なんだな」と思わせたシーンが目の前にありました。

女性トイレから出てきたアボリジニー(先住民)系の若い女性は両手に手錠をされていたのです。

「自分の名前と住所はわかるかい?」「何のドラッグをやったんだ?」

質問されながらマクドナルドから出ていくのでした。

つまりジャンキー(ドラッグ中毒者)がトイレを占拠していたという結末。

どうりで店の人が冷たいというか慌てていないというか・・・。

私は大学生時代に日本で病院の外来受付でボランティアをしていた時のある日、苦しそうにしていた男性の介助を任されたのを思い出しました。

辛そうに上着を着て、苦しそうにしているから一生懸命サポートをしていましたが、先輩ボランティアである初老の女性から「その人、二日酔いだから」と耳打ちされた瞬間、「な~んだ」と心配する気持ちが吹っ飛び、サポートへのモチベーションが下がったことがあったのです。「どんな人であろうと苦しんでいる人を助けるのは必要だ」と思いあがっていた当時の私は、実情を教えられた瞬間に認識から行動まで変わってしまった薄情な自分に失望し、大人になることの意味(この世は自分の都合通りにはならず、綺麗ごとばかりではないんだという認識)を考えさせられました。

同時に思い出したのが『父よ、私たちに変えなければならないものを変える勇気を、助けられないものを受け入れる平穏さを、そして、それらを見極める洞察力を与えて下さい』というニーバーの祈り。良い言葉なのですが、やがて物事を見極められるように感じ、その自分にとって都合の良い見極めで納得できてしまうのが大人なのだと思います。

今回の出来事で、電話で英語を使って救急車を呼ぶという勇気がなかった言い訳ではないのですが、【救急車を呼ぶ】という行為はカナダではものすごく気を遣うのです。なぜなら、日本のように救急車出動は手軽で無料ではなく『誰がどのように1回の出動で約4万円ものお金を払うのか』という問題があるからです。

「なんで呼んだんだ!誰が払うんだ!」という問題は結構身近でも起こっています。(子どもの短い熱痙攣で保育士に救急車を呼ばれてしまった等)

アメリカでの救急車出動で十数万円の請求というケースに比べればまだ安いほうですが、救急車が走っているのを見るたびに「ああ、あれで運ばれている人の医療費がすでに約4、5万円に達しているのか・・・」と思うようになりました。

命が助かる状態で呼ぶのは必要だとは思っているのですが、非核三原則のような「呼ばず、払わず、呼ばさせず」を自然と願うようになっています。

カナダらしさ、ウィニペグらしさは冬だからこそ起こりやすいのかもしれません。

日照時間が短く、寒くて外に出られない状態が続くと鬱症状になっていく人が多いのだとか。

そして、それらを紛らわすためにお酒やドラッグに走ってしまう悪循環があるようです。

先月は、私一人がジャンキーに絡まれました。

大声で「ファッキン、〇〇~」と騒いでいる若い白人が歩いていたのですが、たまたま私が肉屋から出てきた時にその男がすぐ近くに歩いていて、私に向かって「ファ〇くユー!ファッキン〇〇××・・・」と呂律のまわっていない叫び声をあげ始めたのです。

眼を合わすことなく私は彼とは違う方向に歩き始めました。すると、すぐ近くのガソリンスタンドからパトカーが出てくるではないですか!すぐに手で制止して「黒のコートをきた若い白人男性が大声で暴言を吐いています、まだこの通り沿いを歩いていますよ」と説明すると即その男性のところへ車を飛ばし職務質問をしてくれました。ラッキーです。自分だけで対処しようとしなくて本当に良かった。

そんなことのあった次の週、先週ですが今度は僕の顔を見て手を振ってくるアラブ系の男性がいました。

私はまったく面識がないので「これはウィニペグのフレンドリーさからか?」と会釈をしました。

あっちは車を停めて車の窓を開けて「こっちへこいよ!」のハンドジェスチャーをしています。

ジャンキーや怖い人だったら行きませんが、妙に人懐こくニコニコなのです。

私が近づいていくと
「は~い、久しぶりだな~元気だった?」

って、誰?

私は帽子をとってさらに近づくと、帽子をとった瞬間(スキンヘッドをあらわにした瞬間)から

「あ!ごめん、間違えた。いや~よく似ている」

だって。(どこの国籍系の誰に似ていたんだろうか?笑)

それで終わるのと思ったら、やはりウィニペガーは親切でフレンドリーでした。

「どこか行くなら乗っていくかい?寒いだろ?」

「すぐそこのスーパーマーケットにいくから大丈夫だよ」

「そうかい、それじゃ気を付けて、Have a nice day!」

ジャンキーもいるけど、とびっきりフレンドリーなウィニペガーも多いのですよね。

本当にいろんなことが起きますが、大事には至らずありがたいことです。

すべてをひっくるめてやはり私たち家族はこの街が好きなんだと思います。

12月はいろいろと結果が出てくる月なので楽しんでいきたいと思います。

あなたにとっても素敵な12月になりますように。

それでは、また。

※備忘録(前回の投稿から今回までの支出)
【合計328.56ドル】バス代チャージ100ドル込

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