家賃滞納者とのその後。信じることの難しさについて。
前回のブログ記事では不動産投資している物件で家賃滞納をしているテナントさんについて書いてみました。
その後に動きがありましたので、前回のブログ内容とかぶりますが経過を説明してから最近のことを書いてみようと思います。
テナントさんである若い男性看護師さんは最初に面談した際、とても気さく(というか繊細)で真面目そうに感じました。
9月、10月もきちんと家賃を支払ってくれましたが、11月になって急に家賃が支払われなくなり、しかもメールや電話、各種SNSから連絡してもまったく反応がなく3週間が経ってしまったのでした。
「11月5日の夜中に、酔っぱらったかドラッグでおかしくなった女性がドアを開けろとガンガンたたき、卑猥な言葉を大きな声で叫び、警察が来る事態にまでなった。近隣住民は不安と怒りを抱えている。その女性が一緒に住んでいるのかも?同棲者の登録がないけど大丈夫なの?」と管理会社からオーナーである私に連絡がきたときには冷や汗が出たものです。
「11月10日の夜中にもあなたの駐車場スポットで車のドアを大きな音で開け閉めして、騒いでいる」という報告も受けたため、現場を確認して連絡がつかないテナントさんに会いに行ったのでした。
駐車スポットには車がなく酒瓶の割れたあとがあるだけ。結局直接会えなかったため、警告文書をドアの下から入れて帰りましたが、何が起こっているかさっぱりわかりません。
家賃滞納による立ち退き要請は借主の権利の問題もあるため、大家である貸主の一存だけで出て行ってもらうことはできないのだと、Residential Tenancy Branch(住宅賃貸部門という行政機関。以下RTB)からのメールで知ることができました。

(画像はRTBのHome Pageより)
Form8という立ち退き要求書類がRTBのリンクからダウンロードできるのでそれを使ったのですが、この書類はドアの下から入れるという方法は認められず、直接渡すか、RTBに相談してからほかの方法で知らせるかなどルールがあるようなのです。
ちなみに家賃を滞納している借主にどれくらいにわたって連絡をどのようにとっていたかをRTBに説明&証明する必要があるため、もし家賃滞納が始まったら借主への連絡履歴はメモっておいたほうがよいでしょう。
近隣住民に迷惑をかけたとか、損害があった場合は以下のような手紙で警告してからForm10という書類によって強制退去のプロセスに移れるそうです。
Warning Letter:
The warning letter should include the following and must be hand delivered;
Date
Name of the tenant/s on lease agreement
Address of the rental unit
State what the issue is
How to resolve the problem and/or provide a deadline of which to comply
Consequence if they fail to comply (failure to comply to this warning may result in your eviction)
Landlord’s signature
どこで何が起きていて、いつまでにどのように問題を解決できるのか(もし解決できなかったら強制退去になる)旨を書面して手渡す必要があるため、私たち夫婦は11月24日(月)に午後の仕事を半休してRTBに行ってからその物件に行こうという段取りをしていました。
職場に休みを申請したり、書類を作成したりしている間にもテナントさんへ連絡を取っているという履歴をつくるために、何度もメールや電話を続けます。
「RTBと協議しながらあなたへの強制退去のプロセスを進めることになりました」とメールで書いてみたところ…、
11月21日(金)になって、ようやくテナントさんから返信が来たのです。(実に3週間以上ぶりに連絡が取れたことになる)
どんな内容だったか気になりませんか?
私はまずその英文をさらりと読んでから念のため日本語に翻訳した文章でも確認することにしました。
要約すると概要は以下の通りです
「ここ数週間、深刻な精神的危機に陥っており、そのためアパートにずっと滞在できなく、返信することもできませんでした。また、父親との難しい家庭問題にも対処しており、ストレスで仕事を休職しています。あなたを避けていたわけではありません。ただ一度にたくさんのことをこなそうとしてメンタルが崩壊してしまったのです。家賃の問題もこれから解決に向けて動いていきますし、必要な情報がありましたら提供します」とのこと。
この返信内容を読んで、あなたはどのように感じましたか?
3週間も全く連絡せずに、RTBと協議して強制退去が具体的になってきた途端に上記のような返信をしてきたわけです。
しかも警察沙汰になったようなできごとについての詳しい話が書いてありません。
どこまで信じていいのか難しいところだと私は感じました。
そこで、私から「3週間も連絡がなくこっちもメンタルが崩壊しそうだったわい!11月5日と10日の夜中の騒ぎについてもっと詳しく聞かせろい!」ということを優しく丁寧に直したメールを送ったところ、すぐに返信がありました。
相手から丁寧な謝罪とともに、一貫して「 I went through a serious mental health crisis. During that time, I was in and out of the apartment and wasn’t able to manage communication. I was not avoiding you — I was genuinely overwhelmed」と、メンタル崩壊によってコミュニケーションができる状態ではなく、精神的に打ちのめされていたから連絡できなかったし、事件のことはあまり覚えていないのだと続けてメール文章には書かれていました。
うむ。人を信じるのって本当に難しい。
いや信じるということよりも、自分の解釈をどのような落としどころにもっていったらよいのかが難しいのかもしれません。
なぜなら、私は彼からの返信を読みながら「相手がメンタル崩壊時はこっちはすべてを許さないといけないということになるのか?」と思ってしまったからです。
私の性格が悪いのかもしれませんがハッキリ言わせてもらいたい。テナントさんの『父親との難しい家庭問題』なんて私には一ミリも関係ないと!
賃貸契約がある以上、しっかりルールに従って、ただ家賃を滞ることなく支払っていただきたいのです。
さて、どうしたものか。
このテナントさんに出て行ってもらって新しくテナントを募集しようか、それとも、これだけ反省しているのだから今回は許そうか……。こんなことを悩むストレスで心がさらに疲弊していきます。
こういう時にコンドミニアムへの共同出資者でもあり、妻という頼もしい存在がいることはありがたいことです。
何時間も妻と話し合っているうちに自然と次のステップ(テナントさんに求めること)が見えてきました。
1,平常な家賃支払いまでのロードマップの提出(いつどのような資金計画で家賃を支払うか)
2,各種身分証明の更新(昔のオンタリオ州に住んでいたころの免許証を提出してもらっていたのですがマニトバ州免許に書き換えての提出がまだだったし、こっちで就職した際の職場の連絡先も更新してもらいたかった)
3,連帯保証人の追加(看護師として収入が高かったため連帯保証人は必要ないと思っていた)
4,今後、家賃が滞納しそうならすぐに知らせること
5,もし、同居人ができたならすぐに登録すること
6,駐車場スポットは綺麗に保つこと(もちろん部屋内も)
7,コンドミニアムの管理会社に謝罪すること
決して無理を言っているつもりもありませんし、フェアでいて問題解決への寛容な条件だと思うのですがどうでしょう?
これで、上記の7つの条件が飲めないようだったら今月末で強制退去してもらうほかありません。
ほどなくして彼からメールの返信がありました。
「あなたたちご夫婦の信頼を取り戻すチャンスを与えてくれて感謝しています。私はあなたと管理会社、そして近隣住民とこれから良好な関係を維持することを約束します。そして、リストにあった7つすべてに同意します」
問題解決になった瞬間が訪れました(嬉)
でも、彼からのメールでは「必要な書類はす送る予定ですが、しばらくレッドタウンという故郷に戻らなければならないため遅れる可能性があることをご了承ください」というのが気になります。
各種書類が提出されて、家賃が支払われるようになってはじめて平常運転のごとく問題解決になるわけですからまだ予断は許されません。
すぐ書類が提出される、家賃も追いつくと期待をしてしまうと落胆してしまいがちですから、期待しないで相手を信じるというのは本当に難しいことだと実感します。
結局、期待はしちゃうのですが、このまま約束通り家賃が振り込まれれば特に経済的な損害がなく事態は収束することでしょう。(近隣住人や管理会社への信頼回復は引き続き必要ですが)
とりあえずは、手間と時間と出費が伴う強制退去のプロセスに移らなくてよくなり、RTBとの11月24日(月)の面談にもいかないことになりました。Order of Possession($60)について知りたかったのですけどね。(せっかく半休とったのに……)
この一連の騒動でだいぶ不動産投資にまつわる問題に詳しくなりレベルが上がった音が頭の中で響きましたよ。
暗く長かったトンネルからもう少しで出られそうです。
いつもこのブログを読んでくださっているあなたに感謝です。
また続報がでましたらブログに書いていきたいと思います。
それでは、また。

