カナダ・マニトバ州ウィニペグで不動産投資の夢を追ってみる。その1
今回からシリーズとしてカナダ(ウィニペグ)における不動産投資への道について数回に分けて書いてみたいと思います。今回は私のバックボーンといいますか、私の思考やその背景、なぜ不動産投資に挑戦するかについて書いていますので、お時間あるときに読んでくださると幸いです。
私の実家はビンテージのような希少価値が高まるような古書を扱う古書籍商でした。
「株とかFX、暗号資産などに投資しないほうがよい。投資するなら自分自身に投資(知識や経験)をして、扱うなら実物資産だけにしなさい」と父は私が小さいころから何度も優しく教えてくれました。
古書はまさに実物資産でして「安く買って高く売る」、「必要としている人に売って喜んでいただく」ということを実生活から教えてもらったように思います。
実物資産の良いところは、収入が読みやすいところにあります。
「この時期にこれを売ったらこれくらいになる」とか、「この物件を貸したら毎月のキャッシュフローがこのくらいになる」など、目先の(定期的な)収入を安定させやすいのです。
私は株はやっていませんが、おそらく利確するタイミングがわからず投資したお金を使わずに老人になっていそうですし、損切りで悔しい思いをすることがストレスに感じやすいタイプですからキャピタルゲインを狙う方法が合わないのかもしれません。
私にとって資産運用とは『必要な時に、必要なことに必要なだけお金を使える方法を考えて行動すること』であり、ただ資産総額が増えていくのを期待して見守るだけだったり、高齢になった時の準備金だけだったりする目的にはしたくないのです。
さて、そもそも資産とはなんでしょうか?
資産とは『お金に換えることができる経済的価値のあるもの』とか『将来的に価値を生むもの』などと調べると出てきます。
私は若いころ、ロバートキヨサキ著の【金持ち父さん、貧乏父さん】という本を読んで、他のファイナンシャル系の情報とはちょっと違った明快な定義に目から鱗が落ちました。
一般的な資産の定義だと、例えば家を買っても売ればお金に換えられるから資産だということになるわけですが、彼が言うには、毎月ローンや固定資産税などを支払ってあなたのポケットからお金を奪っている以上、買って自分で住んでいる家は負債であり資産ではないということなのです。
つまり、資産とは「あなたのポケットにお金を入れてくれるもの」であって、キャッシュフロー(手元に残る現金の流れ)を生み出さないものは資産とは呼ばないという定義だったわけなのです。
カナダに移住したばかりのころ、家計のキャッシュフローが把握しづらく生活の安定とは程遠い生活をしていました。
家賃や車のローンが始まり、携帯電話を買って通話プランを決めたり、学生ビザで入国した私のような人への学費の高さ(現地の人の約3倍)に驚いたり、ビザの更新や永住権申請料金などの細かく繰り出されるジャブがボディーブローのように効いてきたりと、いったいどのくらい自分のポケットからお金を奪っていくものがあるのか、いつまでそれが続くのかがつかめなかった時が一番つらかったように感じます。
当時、毎月どの支払いがイレギュラーで、どの固定費を削減できそうかなど家計簿とにらめっこしていたことを思い出します。
移住してから一年半経ったくらいから生活基盤が整い始め、イレギュラーで支払うものが減り、生活のルーティーンが見えてきました。
1年半といえば、18か月以上カナダに滞在していて19か月以降も滞在できるビザを持っている人はCanada Child Benefit(以下、子ども手当)がもらえるようになります。6歳未満の子どもとそれ以降17歳までの子どもとの支給額が違ったり、親の確定申告された年収に応じて支給額が決まったりするので一概にいくらとは言えないのですが、だいたい子ども二人いたら一か月日本円で8万円~10万円くらいもらっているご家庭が多いのではないでしょうか?
この政府からの子ども手当支給が生活をずいぶん楽にしてくれています。感謝です。
勤める以外でもお金を得られるように副業を始め、収入の蛇口を増やし始めたのは移住してから3年目でした。
KijijiやFacebookのマーケットプレイスを使って断捨離したり、EtsyやEbayといったEコマースプラットフォームを使った物販をしたり、空港送迎などの便利屋を始めたり、家の部屋を貸すというAirBnBを始めたりしたのもこの時期からでした。
ちょっと話はそれますが、お金が貯まると趣味の旅行を兼ねて一時帰国に出費がかさむ時期がありました。飛行機代だけで4人家族で約60万円。その他旅費として移動費、宿泊費、飲食、お土産代など湯水のように飛んでいき合計約80万円から100万円になることも。(2回一時帰国しているので合計で約180万円かな)
一時帰国以外はたいして贅沢?はしないで毎日自炊して慎ましく生きています。
二宮尊徳に関する小説を読んだ際「入るを量りて出ずるを制す(いるをはかりていずるをせいす)」という思想(礼記が由来だとか)が気に入り、当たり前のことですが浪費はせず固定費を見直し「いずる」を徹底的に抑制し、収入額を正確に把握することで毎月の収支がどうしたらマイナスにならないようにするか、プラスを多くするかに努めてきました。
ちなみに、フランスの経済学者トマ・ピケティの著書【21世紀の資本】の内容で「どの時代においても資本主義において、労働によって高所得を目指すより、不動産投資などで不労所得を得るほうが有利であった」と解釈できる部分に影響を受けてしまったのもこの時期でした。
やがて移住してから7年が経ち、子供たちが13歳以上になると自分たちで行動できるようになるため、それまでの諸経費(主にデイケア代)がかからなくなっていくとさらにまとまった貯金ができるようになってきたのです。妻が残業してまで働いてくれているおかげでもあります。
しかし、コロナに罹ってしまったり、レイオフされてしまったりと人生はそれほど楽ではありません。
それにもかかわらず、前を向いて進めていけたのは家族やこのブログを読んで応援してくださった人たちのおかげです。本当にありがとうございます。
以前2021年5月15日に公開したブログ記事で、私の夢の一つとしての『定住支援サポートとしての不動産投資』についてや不動産投資の動機について詳しく書いてみました。
動機を簡単にまとめますと、日本からウィニペグに長期滞在する予定の日本人ご家族に私が管理する不動産を貸すことができれば、ウィニペグ空港に着いたその時から送迎や日本語サポートが得られて、高いホテルに泊まることなくすぐ宿に定住できる仕組みがお客様に喜ばれるのではないかと思い、ずっと不動産探しをしているという内容になります。
いざ、次の不動産が買えるだろうと思われる頭金が貯金できるようになると、
・どのようなタイミングで買うべきなのか、
・どのような場所でどのようなスペックの家にすべきなのか、
・不動産投資ってどこから一歩を踏み出したらいいものなのか、
・そもそも2軒目を買えるのか(金融機関が住宅ローンを承認してくれるのか)
など課題が山積していることに気づきます。
もしあなたが不動産投資を始めるとしたらどのように初手を動かしますか?
プロに直接聞くことが重要ですが、日本語でさえ何からどう聞いていいのかわからないのに英語で聞くとかメールするのってストレスになりますよね。
ちょっと長くなりましたので、今回はこの辺にさせていただき、次回のブログでは上記の課題を整理して、暗中模索のごとく一歩を踏み出していく様子を書いてみようと思います。
それでは、また。
P.S.この不動産投資に関するブログ記事は私の実体験がもとに作られているため、法律やルールが違う場合や時期によって内容が異なってくる場合がございます。参考程度で読んでいただき、もしご自分で行動に移される場合にこのシリーズへの責任追及はしないようお願い申しあげます。
※このシリーズはやがて有料記事になりますのでここでは公開されなくなる予定です。