釣果はなかったけど魚ばかり食べて充実した週末でした。マニトバ州は本当にフレンドリーな人が多い!
カナダ・マニトバ州ウィニペグはこの時期にしては暖かくて日中は25度くらいあります。
釣りにハマっている息子のために、2025年9月27日(土)はウィニペグから車で一時間半ほど北東にあるPine Fallsという釣り場で有名な場所に行ってきました。

ウォールアイという魚がよく釣れるらしく、夕方から桟橋に釣り人が多くなるのだとか。
その桟橋に着くと、インスペクション(検査)場所があり、桟橋から遠くに駐車しなければなりませんでした。

マニトバ州では、侵略的外来種であるZebra mussels(ゼブラムール貝)が急速に分布域を広げていて、その繁殖力の高さのために他の動植物の食物連鎖を脅かしたり、排水パイプなどを詰まらせたりと悪名を轟かせているのです。
マニトバ州政府はインスペクションを徹底するために検疫所のようなシステムを導入して、一台一台ボートや水上バイクなどを調べています。
インスペクションの部署は違えどマニトバ州は釣り人にも厳しくて、
・フィシングライセンス(釣り許可証:年間約23ドル。2025年現在)を持っているか?
・釣り針にかえし(引っかかったら抜けない仕組み)がついているかどうか?(ついていたら使用禁止か罰金)
・釣った魚のチェック。すぐに絞めているか、サイズが小さいのはリリースしているか?
などをチェックされます。
ちょうど私たちが釣りをしている時に、女性の検査員が来ました。

私たちは問題ありませんでしたが、対岸で釣りをしていた中国人グループが検査員と結構言い争いをしていましたよ。

(検査員がメジャーで釣れた魚を測っているところ)
いきなり100ドルや200ドル級の罰金を科されることもあるらしいので、注意が必要です。(例えば、外来種のザリガニを持っているだけで罰金約25000円とか)
検査員が去っていったと思ったら、今度は家族6人で釣りに来たパーティーが桟橋にきて賑やかになりました。
地元の人らしく「どう?釣れている?」「どれくらいここで釣っているの?」「Oh no! 一匹も釣れていないなんて」と釣果を何度も気にしてくれます。

(「釣れるコツは魚に話しかけることだよ」というレクチャーを受けている図↑)
コミュニケーションが苦手な妻と息子にとっては困った存在になりえますが、釣りをしていない私がご老人の相手をします。
桟橋に置き忘れている(いや、誰かが次の人のために置いていったのか)ビール缶を見つけて、私にも振舞おうとしてくれたり、孫娘が釣った魚をくれようとしてくれたり、とにかく気さくで距離感がない感じ。
そのご老人はビールを二本飲んで、気分がよかったのでしょうか?
「釣れていないなら、うちに冷凍してある大きな魚がいっぱいあるからお裾分けするよ」と言ってくるのです。社交辞令というか3時間経っても釣れていない私たち家族を心配してくれて言っていたのかと思っていたのですが、私たち家族の帰り際に
「それじゃ、我が家に寄って言ってよ」となんと私の車の助手席に乗ってきたのです。
妻はキョトンとしています。
息子は英語が聞き取れているので「ここからすぐ近くにある家に魚を凍らせて保存してあるから分けてくれるんだって。今から家を案内してくれるそうだよ」と妻に説明してくれていました。
75歳以上のご老人ですし、素朴で穏やかな人だから危険性は低いかと思いますが、とにかく車中が気まずいw。
その後老人は「釣り竿じゃなくて、網を仕掛けて翌朝に見に行くと、大量に採れる時があるんだよね」なんてご機嫌に話してくるのですが、果たしてこの人を家まで送ったら、また釣り場まで送って帰らないといけないかが心配になってきます。
そのことを聞こうとするのですが、「この道をまっすぐ行くと59号道路にぶつかるからそこを左に曲がるとウィニペグにいけるよ」と(え?ウィニペグまで一緒に乗ろうとしているのか?)と勘違いさせる会話になってさらに不安になっていくのでした。
めちゃくちゃ長く感じた5分でしたが、彼の家に着きました。
鍵がかかっていないガレージ内に案内されると、そこに大きな冷凍庫がありました。これ、写真で撮っておけばよかったのですが、冷凍庫の側面に血が滴っているんですよ。
「あ、終わった。きっと人間の死体が入っている」と思わせるたたずまい。
緊張が走りましたが、冷凍庫を開けると生臭いにおいとともに、40匹はいるであろう大きな魚たちが凍っているのが見えます。
「ほら、袋か何かを持ってきてよ。入れるから」と言われて、大きなジップロックを持っていきましたが、それでもサイズが足りないため、袋をもらうことにしました。
その袋に5匹くらい大きなホワイトフィッシュやフレッシュウォータードラムなどを入れてくれたところで、
「もうenough(充分)ですよ。ありがとうございます」とお礼をいうのですが、
「Don’t be shy! もっと持って行ってよ」とどんどん袋に入れてくるのがまた距離感なしw。
全部で12匹ももらってしまいました。

いつから凍らせていたのだろう。カチコチのため鮮度がいまいちわかりません。
まだ魚を袋にいれてきそうになったため、慌ててガレージを出ると、さきほど桟橋(釣り場)に一緒に来ていた家族が車で来ていて「グランパ!(おじいちゃん)」と孫娘もおじいちゃんを心配して声をかけていました。
(そうか、あっちはあっちでおじいちゃんが誘拐されていないか、無事に家に連れて行ってもらえたのか心配だったんだなw)
外はもう真っ暗です。
魚が袋から出ないよう妻がきちんと袋を縛ってくれていたおかげで、車の中に生臭さが残ることはありませんでした。
ウィニペグの自宅に帰ってきたのは夜の9時30分。
それから夕飯の支度です。
まず、桟橋で釣れたのをもらった一匹を息子が三枚おろしにしていきます。

刺身にしてくれます。(プリップリで絶品だった。鯛に似ている)
同時にオーブンで解凍しながら焼こうと耐熱皿に3匹並べてみました。

カッチコチに凍っていて解凍までに20分近くかかりました。
解凍してみて気づいたのですが、獲れたてをすぐに冷凍したのだとわかるほど内臓なんかもしっかりしていましたし、鮮度が良いことは眼をみてわかりました。(疑ってすみません)
味はどれも鯛並みに美味しく感動するレベル。魚が苦手な娘も食べられましたよ。
あのご老人はいったい何者だったのだろう?
まったく見ず知らずの私たち家族にここまでよくしてくれて……。
この時私はなぜだか、
「あなたの落とした斧は金の斧ですか、銀の斧でしたか」と聞く泉の妖精に、正直に普通の鉄の斧だったと答えることですべての斧を褒美としてもらえたというイソップ寓話を思い出しました。
「何匹釣れましたか?」とそのご老人に聞かれたときに毎回、正直に一匹も釣れていませんと答えたから「Oh No! それは大変ですね」とOh no(斧)ではなく、魚を分けてくれたのかもしれませんw。
しかし、金の魚や銀でできた魚だったらよかったのに(←欲深いw)12匹の大きな凍った魚ですから、うちの冷凍庫に入らないから困ったものです。
まず、3匹をオーブンで焼いてほぐしておいたり、5匹を翌日に焼くように冷蔵庫に入れて置いたりして冷凍庫には4匹だけ入れるようにしました。(それでも冷凍庫はパンパンになった)
翌日、日曜日は朝からバーズヒルという家から30分くらいにある州立公園に行き、備え付けのバーベキューグリルで焼くことに決めました。

キャンプ歴が長いからこのようなピクニックは得意です。

網を持参して、3匹を置いたらその重みで網がたゆむほどのボリューム。

炭火焼でじっくり焼いていきます。うろこは焦げても中はまだ解凍されておらず生焼け状態。しっかり瞬間冷凍されていたのがわかります。5匹全部焼き終わるのに1時間以上かかりましたよ。

醤油バージョンと、焼き肉のタレ、塩コショウだけバージョンなど分けて堪能しました。4人で5匹は多かったようで、だいぶ残りましたが、家に持って帰って夕飯に卵とじにして親子丼のようにして食べることに。
すごい、何食分になるんだろう。ありがたいことです。
炭火が余ったからいつものように焼きマシュマロをして楽しみましたよ。

まだまだアウトドアを満喫することができて大満足な週末でした。
そして、妖精のような素敵なご老人と出会えたことでつくづくマニトバ州にはフレンドリー過ぎる人が多いことを実感しました。(パインフォールズというウィニペグから車で1時間半くらいにある釣り場はお勧めできます)
もうすぐ10月が始まります。
あなたにとっても素敵な10月となりますように。
それでは、また。

