ウィニペグの映画館で鬼滅の刃の最新作を家族で観てきました。物語って本当に良いですよね。

9月から高校生になった娘は、高校での出来事をよく私たちに話してくれます。

私たち夫婦が仕事から午後4時半ころ家に帰ってきて夕食の準備をしている間に、その日のハイライトを話してくれるのが日課になりつつあり、この時間に幸せを感じ、カナダに来て本当に良かったと感じる瞬間でもあります。(だって、残業や会社の飲み会もないし仕事人間にならなくて済むから)

学校では国語のことを「English Language Arts」略してELAといい、最近の授業では「この物語を読んで作者の言いたいことを考えてみましょう」とか「この部分は何を伝えようとしているのでしょうか」、「以下の部分を要約しなさい」など答え方が難しい内容が多いのだとか。

物語といえば、あなたはギリシャ神話のイカロスの話を憶えていますか?

童謡の「むーかーし、ギリシャのイカロスは~♪、蝋で固めた鳥の羽~、両手に持って飛~び立った~♪」という出だしを思い出す人もいらっしゃるかと思います。(あれ?知らないとしたら年代の違いや地域の違いなのかな?)

ちなみに私が小学生だったころ、音楽の授業でこの歌を習ったときに、

「むーかーし、ギリシャのイカロスは~♪、蝋で固めた鳥の羽~、両手に持って飛~び立った~♪雲より高くまだ遠く、そして、命を失った。」と、本来なら歌の最後のフレーズは「そして命を失った」ではなく、「勇気一つを友にして~♪」という歌詞になるはずなのに、一番目のメロディの最後で早速イカロスを殺してしまう生徒がいて笑っていたのを思い出します。

そのうち、「むーかーし、ギリシャのイカロスは~♪、蝋で固めた鳥の羽~、そして~命を失った♪」と短くなっていき、

当たり前のように、「むーかーし、ギリシャのイカロスは~、命を失った~」となり、

挙句の果てには「むーかーし、いのち~を失った~」と誰が命を失ったかもわからない歌になっていて、イカロス=死という死亡フラグを歌の中でいかに早く回収するかが流行っていました。(←イカロスに謝れ!w)

そんな思い出のあるイカロスがまさかカナダで教育を受けている娘の口から出てくるなんて驚きました。

そういえば娘の年代のころ、私はギリシャ神話を読んでいたのを思い出し、世代と地域を超えて同じ内容の会話ができることの喜びを感じたのです。

ついちょっと前、シャーロックホームズの『まだらの紐』という作品を読んだという娘とシャーロックホームズ談義をしたこともあって、娘が私と話してくれることと私が話せる内容があることがありがたいと感じるというわけなのです。

 

さて、話は少し戻って学校での授業の話。

生徒たちは、このイカロスの物語を読んで『この作品の言いたいことは何か』について提出を求められたとのこと。

「Stupid Icarus(アホなイカロス)」と書いて提出している人もいればw、娘を含め「太陽に近づきすぎ=欲張らずに飛んでいる分には楽しめたのに」という感想をもとにこの作品では「調子に乗ってはダメ」とか「欲張りすぎは破滅に近づく」などについて言いたかったのではないかという結論を提出する子もいたそうです。

これという正解があるわけではなく、自分なりの解釈を広げ、深めていくという答え方は情操教育にはとても重要だと思います。

教育というより、物語を読むということは人生の機微(表面からは知りにくい微妙な心の動きや物事の趣)に触れることのできるチャンスであり、感動できるエンターテイメントにもなりえます。

人生の機微を感じさせてくれたといえば私の場合、時代小説が多く山岡荘八の徳川家康や池波正太郎の真田太平記そして、『鬼平犯科帳』でした。

鬼の平蔵こと、長谷川平蔵の名言として、

「人間というやつ、遊びながらはたらく生きものさ。善事をおこないつつ、知らぬうちに悪事をやってのける。
悪事をはたらきつつ、知らず識らず善事をたのしむ。これが人間だわさ」というのがありました。

悪事を行ってしまうキッカケは誰にでもあり、悪事を働いていたとしても許される瞬間があるのだというのが教訓として学べるわけですが、最近、家族でNetflix内の『鬼滅の刃』シリーズをみていたら、まさに似たような人間の機微が見事に描写されていて感動しました。

 

昨日、2025年9月20日(土)の昼に、家族で鬼滅の刃の最新映画を映画館に観に行きました。(ネタバレになるから詳しくは書きませんが)

まさかカナダの陸の孤島ともいわれる田舎都市ウィニペグの映画館で公開されているのを知った時には興奮しました。

12時40分からの回は日本語上映(英語字幕)だったからか、大きな劇場内にはアジア人が私たちを含めて12人くらいしかいなくてほぼ貸し切りといった状態。約15分間の宣伝を経て本編が始まるころには家にいるくらいくつろいでいました。

映像のすごさも物語の深さにも圧倒されて、娘も私も感動で泣きながら観ていましたよ。(妻と息子は泣かない派)

基本的には鬼を退治する物語。

その中でも例えば、人間から鬼になってしまった事情や、鬼を討伐する側の事情などを丁寧に物語にしていて「これって、私に当てはまる物語だ」「この部分、現実でもよくある」と思わせるところが絶妙なのでした。(誰にでも鬼になってしまう要素はあるように感じます)

観終わったあとに作品の余韻に浸り、子ども達と一緒に感想を話し合う時間もまた幸せで、子ども達の成長を感じられました。

娘はイラストを描くのが好きなため、作品を作る側の視点でも話してくれ、私も小説を書くのが趣味ですから、物語の展開や構成について語ってしまいました。

いずれ(老後)に、ギリシャ神話のイカロスの話や、鬼平犯科帳のような人生の機微を感じさせる作品を自分で執筆し、娘が挿絵や動画にしてくれればと妄想しています。

いや、老後ではなく近々ショートショートの小説をまた書いてみようかな?(蝋で固めた刃で、イカをこロス話でもw)

その時が来ましたらまたブログで公開してみたいと思っています。

いつもブログ記事を読んでくださってありがとうございます。

それでは、また。

 

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