創作意欲がわいてゾンビ作品について考えた年末年始。

年末年始はYouTubeやNetflixなどを観て、お菓子を食べてゆっくり過ごしたせいか、体重がうさぎのぼりでした。(←祝!ウサギ年)

久しぶりにゆっくりと本を読む機会があったため、一番好きな作家『星 新一』のショートショートを読み直していました。これらの作品を読むたびに創作意欲が刺激されて自分も小説を書きたくなります。(過去に書いた作品はこちらで読むことができます)

ちなみに昔書いたショートショートは以下のような感じです。

****ここから****

「わたしね、さか屋さんになるの」

5歳になったばかりの娘、のんちゃんが話しかけてくれる。

僕は、のんちゃんと手をつないで海岸沿いの坂道を散歩していた。

「へー、のんちゃんは酒屋さんになるの? パパもママもお酒は飲まないのになぜ?」

「違う、さか屋さん!」

のんちゃんが僕の手を引っ張る。そんな反応でさえ無条件で可愛いと思う。

「え、さかな屋さんかい?」

怒ったような反応が可愛かったので、もう一度とぼけてみた。

「もー。さか屋さんよ!今のぼっている坂のこと……」

ちょっと照れながら言い終えると、僕に坂屋さんについて説明してくれた。

まず、坂屋さんに入るとこう聞かれるそうだ。

「いらっしゃいませ。上り坂にしますか? 下り坂にしますか?」

なんでも上り坂は辛いけど達成感を期待できるし、上っていくと景色がよく見えるらしい。一方、下り坂は、楽だけどあっという間に下りきってしまう。爽快感が期待できるようなことを言っているのでどうやら自転車での話らしい。

僕は山登りをする時、下りの方が使う筋肉が違って辛いと感じることがある。深く考えたことはなかったが、目標に向かっていくという意味でも上り坂が好きなのだと思った。

手をつないで歩きながらのんちゃんの好きなおままごとのようなこの会話を続ける。

「上り坂でございますね」

レストランでステーキの焼き具合を聞かれるように、

「傾斜角度はどのくらいに致しますか?また、距離はいかがいたしましょう」

なんて聞かれるかもしれない。

「おすすめの上り坂の角度や距離はありますか?」

と聞いてみた。

のんちゃんはにこやかに笑いながら「虹の角度がよろしいかと……」と答える。

僕はてっきり45度くらいとか言う答えを予想していたのだがまだ幼稚園児ののんちゃんには、角度の数字なんてわからないことだろう。それにしても『虹の角度』というのは洒落ている。

「ただいま上り坂はキャンペーン中でして、スタートする坂の位置を決めることができます。上り始めが良いですか、途中が良いですか、それとも上り切る直前がいいでしょうか」

例えば、富士登山で一合目からゆっくり登っていくのか、五合目まで車で行って登るのか、あるいはヘリで頂上ギリギリのところに下ろしてもらうか、どれが一番自分にあった上り坂になるだろうか。体力や目的意識、年齢によっても違ってくることだろう。

もしかしたら人は自分の位置する場所がわからないからこそ「どんな坂を歩いていて、その先に何があって、どのくらい長いんだろう」を無意識にも知りたがるのかもしれない。

「それでは、途中からスタートしたいのですが……」と僕が言うと、

「かしこまりました。今回はさらに特別キャンペーンでエベレストの途中に下ろして差し上げます。おめでとうございます」

のんちゃんはカラカラと笑いながら手を引っ張って坂道を登り始めた。

「デザートは何にしますか?」

屈託ない笑顔で聞いてくる。

「おまかせします」

このまま娘と手をつないで一緒に歩けるのはあとどれくらいだろうか。

のんちゃんは自分たちが歩いている坂を指さしていた。長く伸びた二人の影が坂にくっきりと映っていたのである。

それは、二人だけの甘い影を海岸沿いの坂にトッピングしてくれたデザートみたいだった。

海風が肌に涼しい。坂を上り切ると水平線を見ることができる。

丸い地球のシルエットがそのまま坂道を想像させる。

水平線のような坂道……。

(そうか、僕たちはずっと坂道を歩いているんだね)

のんちゃんの目には父親である僕が今歩んでいる坂道がどのように見えるのだろうか?

これから歩むであろう坂道を間違えそうな時は、のんちゃんが開業するであろう坂屋さんに行っておすすめを聞くことにしよう。

いつの間にか空には虹が出ていた。

それは今にも駆けあがっていけそうな角度の虹であった。

終わり

****転載ここまで****

この作品は娘がまだ生まれる前に作った作品です。某作品コンテストにリメイクして応募したのですが、残念ながら賞にまでは至りませんでした。

 

この冬休み中に一作品でも作ってみようかと構想を練ってみたのですが、昔のようにアイディアがわかず、ストーリーが頭の中で流れていかないんですよね。

でも、ようやくひとつアイディアが浮かんだのでこのブログ記事で勝手に考察してみたいと思います。

ちょうどNetflixでウォーキングデッドというゾンビドラマの最終章が2023年1月6日からスタートしています。

あなたはゾンビ作品を観たことがありますか?

韓国のゾンビ映画も面白かったですし、死んでいるから遅く動くだろうという概念を壊して早く動きまわるゾンビ作品なんて言うもの流行りました。

 

私はそれほど多くのゾンビ作品を観たわけではありませんが、作品を作るという視点で観た時にエンディングがどうなるのかにいつも注目しています。

そして一つの結論に至るのです。

「ゾンビに打ち勝つ作品や、心温まるエンディングを観たことがない」

一度死んでからよみがえるわけですから、ゾンビがまた人間に戻るということを期待しているわけではありませんが、ゾンビ作品ってたいてい絶望のままか、ワクチンを探すという希望を追うか、壁や生存者だけのコミュニティーを作ってひっそり生きるというラストが多いように思うのです。

もしかしたら感染が小規模で収まったり、すべてのゾンビが武器や兵器で駆逐されたりする作品があるのかもしれませんが、その程度で抑えられてしまうのでしたらゾンビ作品として途中盛り上がるのだろうかなんて要らぬ心配をしてしまいますw。

ゾンビ作品のラスト、どうしたらよいと思います?(←新年早々聞くような質問ではない!w)

この冬休み、

『どうやったらゾンビ作品の新しいパターンのエンディングを作れるか』

を考える、という小説を書く私にとって最高に贅沢な時間の過ごし方をしたのでした(笑)

 

ウォーキングデッドというゾンビドラマを観ていて、何匹倒しても沸いてくるゾンビの数に圧倒されました。ちなみに、私は東京マラソンのスタートからすぐの定点カメラで参加者が元気にビルの間を走っている動画をみて、これがゾンビだったらとゾッとした思い出があります。3万人が押し寄せるようにカメラの前を通過するのに数十分かかっているのです。もうこれらを倒すのは兵器くらいしか思い浮かびません。かっこいい主人公が武器でちまちまと戦っていくなんてもう無理ゲーなわけですよ。

そこでまず、どうやったらこの大量のゾンビを退治するかという問題があります。

※ここからちょっと私の考えたストーリーにお付き合いしていただきます。

ストーリーも中盤になりボル博士(仮)により、

「おい、こいつらに苦手な音があるみたいで寄ってこないだよ」という布石がおかれますw。

人間には影響がないけど、ゾンビにとって苦手な周波数があるようだという設定にしてみるのです。

それから、生き残って一緒に戦ってきたジョンやメアリー(←誰やねんw)と一緒にその周波数を探り出し、波長を増幅させる装置をボル博士が作り上げます。

「キーン」という高周波がゾンビに当たるとゾンビはバタバタと倒れていくではありませんか。

生き残った数少ない人間達は喜びながらも、

数多の動かなくなったゾンビたちが横たわる世界に絶望がぬぐい切れません。

物語は終盤の「ゾンビだからこそのエンディング」に向けて走り出します。

「おい、メアリー!Look at this! ゾンビの死体から植物のような芽が出ているぞ!」

「何言っているのよ、ジョン!ゾンビは一度死んでいるんだからゾンビの死体って表現はおかしいでしょ!(←こてこてw)」

「頭蓋骨の中から芽が生えてきているように見える。よし、ボル博士に報告しよう」

 

荒廃した世界が、数年経って緑が多い美しい地球に変わっていくシーンにつながります。

 

ボル博士はコンピューターの前に座りながら論文を書いています。

「そのようにして、ゾンビウィルスに感染した人間の脳に種が植えつけられるようなのです。そう、ウィルスではなくもしかしたら地球外生命による寄生だったのかもしれません。これ以上地球を汚させないために人間に寄生感染させ、人間を養分にして育つ植物を最も効率よく育てるために……」

論文を書き終えたボル博士は物語の中盤でゾンビになってしまった妻の亡骸のところへ行ってみます。

妻の頭蓋骨から口を通して伸びて育ったであろう植物には美味しそうな実が成っていました。

シカやリスがその実を食べているため、ボル博士も手に取って食べてみました。

あまりの美味しさと、それまでのつらかった日々、そして、たとえゾンビになったとしても地球に貢献しているんだという思いに至るボル博士の涙が頬をつたっていくシーンでエンディングとなります。

 

「全加が泣いた!」

って、映画が作れそうですよね(著作権でガッポガッポ!笑)

 

あー楽しい。

ゾンビに新たな意味づけができて大満足w。

お陰様で、このような妄想でよい年末年始を過ごすことができました。

今年もこのようなどうしようもないネタを混ぜながらも毎週更新できたらと思っています。(一時帰国などで更新できなかったらすみません)

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

あなたにとって素敵な2023年になりますように……。

 

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