海外移住を前に、もし「日本から逃げるの?」と言われたら?

一昨日、12人の仲間が集まって私の送別会を開いてくれました。

飲み放題だったのであっという間に皆、呂律が回らなくなり、
カオス的な飲み会となってしまいました。

「ボルさん、何しゅうだっけ?」

遠くの席から呼びかけられ、

「マニトバ州ですよ」

「そんなしゅうないよな~」

「いえいえ、カナダですから」

「何言ってんだ、だからあんたは何宗だって聞いてんの!」

どうやら、お坊さんがいるので仏教談議が遠くの席であったようです。

うちは実家が浄土宗ですが、私自身は真言宗が好きです。

私自身、スキンヘッドにしているのでよく坊さんに間違われますが、
特定の宗教を信仰しているわけではありません。

そのお坊さんが、宴会の締めの挨拶で、突然、
『ボルさんは日本から逃げるんだよね』
と言い始めて唖然としました。

やがて一丁締めで手を叩いてお開きになったのですが、
私は酔いが醒めてしまいました。

「ん?そう思われるんだ。あんだけ引継ぎや準備に時間をかけて、
2年も前からみんなの前で海外移住の話をしていたのに・・・」

【私は何から逃げた・逃げているのだろう?】
このことです。

『日本で税金を払い続け、実家(自営業)の借金も全て返済でき
代表者変更を無事済ませ、親や兄からは応援され、家族もカナダに
行きたいと言い、守るものや日本にいなければならない理由もなく、
子ども達にとってこの時期に行くことが投資になりうるだろうと考え、
同時に私や妻自身にも新しい人生が送れるという醍醐味と冒険となり、
日本を去るにあたって手続きはほとんど済ませ、準備してきたのに
何を言っているんだ?この人は?』

以上のことが、2秒の間で頭を駆け巡り、「あなたに何がわかるだ!」
と言わないまでも、怒りがこみ上げてきました。

お坊さんに対して、
「みんなが言わないから私が言う」「私はこんなことも対極的に考えているんだ」
というような【無駄なサービス精神や自己顕示欲】のようなものを感じ取ってしまい
それらは私自身が持て余している性質だからこそ気になってムキになってしまった
のかと思います。

一方で、後ろめたいことや逃げたいことはないと思っていただけに、
あのような場でみんなの前で言うに至ったということは、そのお坊さん
から見て何かしら「日本から逃げる」と映った無責任さ?や何かが
あったのではないかとも考えました。

翌日になっても怒りや不安が拭えず、そのお坊さんに直接メールをしてみました。

その返信に瞠目しました。
.
.
.
「そんなこと言いました?ごめんなさい。まったく記憶がありません」

だはは。

酔っ払い相手に言質を取っている私も不粋でした。

「寺を守る私や、お墓を代々守っている檀家さんと接していると
言いたくなってしまうことがあったのかもしれません。ボルさんの
海外移民を非難するつもりはなく、嫌な思いをさせて申し訳ない」

一件落着です。

でも、あなたはどう感じましたか?

もし、あなたが海外に移住となった時、誰かから

「日本から逃げるの?」

「私たちを置いていくんだ?」

「日本や親に恩返ししないで行っちゃうのかい?」

と言われたとしたら・・・。

何をもって恩返しとなるのか?何をすれば逃げと思われないのか?

(たぶん、どんなことしても言う人は言うのでしょうけどね)

言われて初めて襟を正す。そしてすべてのことに感謝ができる。

そんなキッカケを今回は与えてくれたのだと思います。

妻の実家にいる妻から、
「わざわざ苦労しに行こうって言ってんだからあぁすごいね。
頑張ってね。くらい言えるようになりたいわね。
そんなに気にしちゃいないよ。前に進むだけよ。楽しむだけよ」
と、私にメールをくれました。

その通りだと思います。

他人をどうしたいとかではなく、自分たちがどうなりたいか、
そして、自分たちの幸せを考えた結果の海外移住であるわけですから。

このように海外移民に向けて動いていると様々な洗礼?を受けます。

ありがたいことです。

ウィニペグにいくまであと9日間。

まだまだ送別会が続きます。

楽しみでもあり、自分と向き合うちょっと苦い時間にもなり得ます。

何かありましたらまたブログに書きますね。

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海外移住を前に、もし「日本から逃げるの?」と言われたら?” に対して3件のコメントがあります。

  1. yukasaku より:

    私も全部言われました。しかも自分の母親に。友人や会社関係はみんなすごく応援してくれましたが、自分の母親が本当に大変でした。
    「日本で何もできないから逃げていくんだろう?」
    「外人かぶれ。」
    「私の顔に泥をひっかけていくのか?」
    「どうせ何もできやしない。」
    「買い被るのもいい加減にしなっ!」
    「帰ってくる場所はないからなっ!」
    と、以前からやりたい放題の母でしたが、なぜ語学留学したいって言っただけで、そこまで言われないといけないのかよくわからなかったです。しかし、そんな野次を振り切って頑張って良かったと思ってます。未だに野次は飛んできますが、昔と比べると対話が出来るくらいに温厚になったのはメキシコ人の旦那さんと結婚したから。2人でカタコトで会話にならない会話をするのが楽しいんだそうです。

    1. Boru より:

      考えてみれば、一人でも反対してくれる人がいると張り合いが出ますよね。真逆を知ることで幅ができるというか経験が深まるというか…。面倒くさいことではあるのですが、反対してくれる人はありがたい人でもあるような気がしています。でも正直、親御さんの場合は関係が続くから面倒くさすぎますよね(笑)

      1. yukasaku より:

        本当に面倒くさかったです。30歳過ぎて独身だったので、20代は「無理して結婚なんてしなくていいのよ」なんて言ってた母も、29歳になった途端、「周りは結婚してるのに負け犬か?!」とか散々言い始め、挙句に29歳にして語学留学とか海外に行き始めたので、メキシコにいる間は勘当状態でした。メキシコにいた期間5年間は全く連絡取ってないし、日本に一時帰国した時もシェアハウスにお世話になってました。Boruさんはいつも考え方が前向きですよね!「真逆を知ることで幅ができるというか経験が深まるというか…。」って、私もそう思わないとやってられないので、母は反面教師としてなんとか自分で納得するようにしてますが、そうでなければただの子の足を引っ張る疲れる親なので、自分の子には絶対そんなことしないと、いつも自分の行動を気をつけています。悲しいですが、だいたい子供は親に似るものですから。。。

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