ウィニペグ移住、20か月。教育という投資について。
最高気温がマイナスではなくなってきているウィニペグはだいぶ春らしくなってきました。
移住してきてから20か月経ちますが、相変わらずウィニペグとは相性がよく楽しく過ごしています。
とにかく人が優しい。
困っていることがあると誰かしら声をかけてくれて手伝ってくれるのです。
昨日も車に載せるための荷物(ガゼボ)の搬入を手伝ってくれました。
以前、妻が子どもを抱っこしながら買い物袋を持って道路沿いを歩いているだけで
「近くなの?車で送っていくわよ」と見ず知らずの人でも声をかけてくれましたっけ。
子ども達の学校で知り合ったカナダ人のご夫婦と仲良くさせてもらっていまして、かれらはウィニペガーだからか、いや、日本が好きだからなのか、私たち家族にとてもやさしくしてくれます。
カナダの児童手当(チャイルドベネフィット)についてや、学資保険、サマーキャンプなどウィニペグに住んでいるからこそ詳しい情報を惜しげもなく教えてくれるのです。
また、旦那さんならではの教育哲学やビジネス感覚は刺激になり、話していて面白いです。
「ねぇ、日本人はなんですぐに貯蓄したがるんだろう?確かに緊急時にお金があるという安心はわかるけど、歳をとってから使おうという考えがあるのかな?」
「カナダ人はあまり貯蓄をしないと聞くけど、それはそれで大丈夫なの?」
「大丈夫な人と、大丈夫じゃない人はいるよ」
(そりゃそうだ)
「カナダ人は将来の不安や安心のためよりも、今の人生、特に【経験と知識】に対してお金をかけて、それらがいずれ実を結んで『大丈夫』になるんじゃないかと思うんだけど・・・」
最近、このご夫婦のお子さん(6歳)がリーディング(読み)が苦手でだったそうでその話をしてくれました。
「うちの子に日本でいう【塾】に通わせたんだよ。リーディング専門のね」
「え?あの子がリーディングが苦手なんて思えないけどね」
「文字に苦手意識があるようで、本を読もうともしないからライティング(書き)やスピーキングも遅れていくような気がしているんだよ。だって、読むことって、文法や発音の基礎と深くつながっているじゃない?」
親がいくら「読め!」といっても読まないわけでして、その道のプロにお金を払って苦手意識をもケアしてもらっているのだそうです。
塾に通わせて3か月経った現在、その子の学校でのリーディングの成績が2つもあがったそうで、さらに「自ら本を手に取って読み始める」という現象にその親御さんは涙が出そうになったとか。
「あの~、その塾っていくらぐらいなのでしょうか?うちの子も通わせたい・・・」
「1回、1時間半で50ドルだったかな、3か月で500ドル近く払っていると思う」
「うへ!やっぱりそれくらいしますか・・・」
「でもね、ボルさん。この時期に文字の苦手意識をとっておいたら、それがいずれ実を結んでほかの分野の苦手をなくしていくんだよ」
「なるほど、まさに投資ですね」
「そう、投資。経験と知識にお金をかけて楽しめるようになると投資になるんだよ。今を楽しむことができなければ将来は楽しめない、だから日本人のことを不思議に思うところがあるんだよね「人生楽しんでいるのかな~」と失礼ながら・・・」
「僕は、移住という経験を楽しんでいて、子ども達にもそれは伝わっていると思います」
「そうそう、ボルさん一家は楽しんでいそうだよね。でもスプリングブレーク(春休み)は仕事なんだろう?」
このご家族は車でアメリカ、フロリダのディズニーワールドに今年も行くそうです(夏は奥様の学会参加もあるのでヨーロッパ旅行だそうです)。
遊び方やカナダでの処世術など、教わっていくにつれ影響を受けるのは確かで「アリとキリギリス」の童話もどう解釈したらよいのか今ではよくわからなくなっています。
「(貯蓄額や国の方針は関係なく、誰のせいにもしないで)自分を信じていなければできないことだけどね」
彼が最後にこのようにつぶやいたのが耳の奥に焼き付いています。
そう、
『自分を信じて、経験と知識を自分のものにし、自分らしく切り開いていく』
こんなことをウィニペグ生活20か月にして噛みしめています。
今を生きている実感。自分の人生を生きている醍醐味。
欲しかったそれらをさらに楽しめるようになってきているのだと思います。
それでは、また。
※備忘録(前回の投稿から今回までの支出)
【合計798.4ドル】ガゼボ購入722.30含む
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