セキュアーカードのせいで定期口座の3千ドルが動かせずに困った件。
2月はタックスリターン(確定申告)で、3月はRESP(子どもの為の教育費貯蓄口座)の支払いなど、家計簿を見直し、お金の管理を正すにはちょうど良い時期になります。
夫婦間の預貯金ってどのように管理するのか、その家庭によってだいぶ違いますよね。
我が家では炊事担当が私なので、例えば一週間の朝昼晩の献立用の食料や日用品を買い出しにいき、冷蔵庫・冷凍庫に何が残っているのかを把握しておかなければならないため、一家のお金の管理をするのに適任なのが私ということになるのです。
妻の預貯金と確定申告も管理させてもらっていますので、家族で使えるお金や貯めるお金がわかりやすく、計画が立てやすいものです。特に、夫婦二人とも持っているチェッキング・アカウント(以下、普通口座)とセービング・アカウント(以下、定期口座)の使い分けがネットで一元管理できるのはありがたいことです。
例えば、不動産を購入する頭金は、妻の定期口座に夫婦で貯めておいたお金を使うようにするというルールを作っておくと、わずかながらも利子が普通口座や私の定期口座に小さい額を入れているよりもらえ、さらに頭金を支払う時期になって焦らずに済みます。
私たち夫婦はTDバンクを使っています。
普通口座を月に何回利用するかによってプランが違ってきますが『普通口座に4000ドル以上を毎日キープしておかなければ口座維持手数料(約160円)を取る』というTDバンクのルールがありますので、夫婦とも4000ドル以上にしたうえで、残りは妻の定期口座に全額移すという感じで管理しています。
どの銀行もたいてい普通口座には利用回数によって最低維持金額が設定されていますが、定期口座には設定がなく、ゼロドルにしておいても問題ありません。
さて最近、私の定期口座に入っている3000ドルちょっとを管理しやすいように普通口座に移そうとして問題がおきました。
ネットバンキングで自分で移動させようとしたのですが、「このお金はhold onされていて動かすことができません。銀行の窓口で問い合わせてください」とのことで、近くのTDバンクの窓口に行って聞いてきました。
「あれ?移動できないわね」
窓口の女性がしばらく調べてくれて、ようやく原因が見つかりました。
私がカナダに来たばかりの時2016年にTDバンクで口座を作った際、クレジットカードもTDバンクで一緒に作ってもらったのですが、そのクレジットカードは定期口座に3000ドルを常に入れていないと使えないという『Secure card(セキュワーカード)』と呼ばれるクレジットカードだったのでした。
日本から来たばかりでカナダでのクレジットヒストリーがない場合、このように3000ドルを担保にしてクレジットカードを作り、カナダにおいてのクレジットヒストリーをためる必要があったのです。
クレジットヒストリーとは、借りたらちゃんと返しているか、水道光熱費、通信費などを払い忘れていないかなどその人の生活の信頼をはかる基準となります。(クレジットヒストリーがないとローンの審査が厳しくなります)
以前、永住権を取得してSIN番号が変わったのに、それがクレジットヒストリーにまだ反映されていなかったため、クレジットカードが作れなかったことがありました。その後信用調査をお願いしたらクレジットスコアが正確に反映され(自動的にクレジットヒストリーが昔のSINから今のSINに更新されて?)すぐにクレジットカードが作れました。
話は戻りますが、そのセキュアーカードはすでに有効期限がきれてしまっていました。
2、3年前に更新しようとしたらTDのクレジットカード会社から更新を断られてしまい(クレジットヒストリーが更新されていなかったからか、当時無職の時期だったからかも)そのままそのカードを使用していなかったため、セキュアーカードの存在さえ忘れていたのです。
銀行の窓口の人に、
「まずはこのセキュアーカードの会社(VISA)に連絡してみてください」
と言われ、家に帰ってからそのクレジットカード会社に電話することにしました。
(バナナで「もしもし」をしている横で、アップル(iPhoneってことか)で「もしもし」している息子w)
カナダにお住いの方は「あるある」と思ってくださるかと思いますが、
このような案件でクレジットカード会社に電話するのって電話先のオペレーター次第で、長い時間待たされたり、たらいまわしにされたり、要件が終わってないのに勝手に通話終了にされたりもします。
しかも英語で話すのが面倒くさい内容ですし、「クレジットカードの有効期限が切れているなら、更新しましょう」とセールスされるのも面倒くさい。
どうしたらよいだろうと考えた結果、
「日本語ができる人がいますか?」
と、英語で聞くことによって、いたらラッキー、しかも英語が苦手アピールになり、英語でセールスされる可能性も少なく、問題解決できるのではないかと思ったのでした。
自動音声で始まるこの手の電話はオペレーターにつながるまで時間がかかり、
「この通話はオペレーターのトレーニング目的などにより自動録音されます」と自動音声が流れてから相手につながります。
またちょっと話はズレますが、最近のニュースで山梨県警が特殊詐欺(オレオレ詐欺)防止のため、74台の自動音声録音装置を山梨県内の高齢者家庭に設置し「振り込め詐欺などの犯罪被害防止のため、会話内容が自動録音されます」という音声を会話の前に自動アナウンスさせることで詐欺や押し売りなどの被害をなくしたというのを知りました。
会話の前に録音するとアナウンスされることはカナダではよくあることなので、日本でもクレーマー防止の観点からも普及すればよいのにと思いましたよ。
閑話休題。
日本人のオペレーターがTDバンクにいるのかと思ったら、通訳者を外部に依頼するというのが仕組みみたいですね。
しばらく待つと、日本人通訳者が電話口に参加してきて3人で話すような感じになります。
つくづく日本人なんだな~と自分自身思ったのですが、思わず
「お忙しいところ、すみません。よろしくお願いします」と通訳さんにあいさつしていました。
この男性の通訳者さん、どうやら私より年上で落ち着いた声でいて安心感を与えてくれます。
いきさつや現状を説明し、
1,セキュアーカードを解約したい。(VISAカードの口座を閉めたい)
2,定期口座の3000ドルを普通口座に移したい。
の2つの目的を伝えられたところで、通訳者さんはオペレーターに英語でうまくまとめて伝えてくれました。
通訳者さんって、編集能力が必要ですよね。そして電話越しにいる相手への気遣いも。
その点、今回の通訳者さんは完璧でした。
新人のようなオペレーター(=手続きが遅い)が一連の手続きをしてくれている間に、私とその通訳者さんは待たなければなりません。
「カナダはどちらですか?長いのですか?」
「そちらの気候はどうですか?こっちはマイナス30度くらいあります」
久しぶりの日本語によるスモールトークが始まりました。
話しているうちに会話が弾んでいき、お互い笑い始めるのですが、オペレーターからは入力をしているような音がただ聞こえてくるばかりで放っておかれます。
「日本はどちらからですか?」
待たされているため、生まれはどこかという話になったのですが、ここから不思議なことが起きました。
同じ東京出身で、しかもほぼ隣町に住んでいたのです。(住んでいた年代は違いますが)
「懐かしいな~。あの坂をのぼって大きな病院の先にある史跡公園」
その土地の情景がすぐ最近のことのように脳裏に浮かんできます。
なぜ同郷の人と話すと心が躍るのでしょうかね。同時に、昔を思い出すため心がほっこりと温かくなるのです。
本当に不思議な縁です。
だって、カナダでこのタイミングで地元の話をしているんですよ!(しかも私の誕生日の2月3日に!)
奇跡に近いようなこの会話の盛り上がりに、思わず連絡先を交換してしまいました。
(おそらく業務中の私語や連絡先交換は禁止だっただろうと思われますが感謝です)
とてもすぐ会えるような距離ではないのですが、私にしては珍しくカナダで新しい友達ができました。
(シャイで、しかも家族中心の生活のため、友達を欲したことさえないのですから)
まとめ。
銀行の定期預金から普通預金にお金を移動させようとしたのは、将来の不動産購入の頭金管理のために夫婦の預貯金を整理するために始めたことでした。
モーゲージローン(不動産ローン)を得るためには、銀行口座の過去3か月分の入出金の提出を求められる場合があります。そのため、今のうちに口座の数字をスッキリとさせて、頭金になる預金金額の把握をしやすくしておくことは家を買う人にとって必要になってくると思うのです。
そのほか、先述したようなチェッキングアカウント(普通預金口座)とセービングアカウント(定期預金口座)の件や、セキュアーカードの件、そして、クレジットヒストリーの件でもしかしたら私のブログの情報が役に立つことができれば幸いです。
それでは、また。