極寒でカーバッテリーが生命の危機に陥る街、カナダ・マニトバ州ウィニペグ
本日2025年1月25日(土)のカナダ・マニトバ州ウィニペグの日の出時間は8時10分。日の入りは17時12分。最高気温はマイナス4度。最低気温はマイナス14度となっています。
マイナス4度くらいだと暖かく感じ、子どもたちは薄手のジャケットを着ています。
5日前は特に寒くてマイナス30度超えの日がありました。
極寒警報が出ていて、刺すような寒さでした。
このような日でも学校や仕事は普段通りですし、皆さんいつも通りに過ごしているからすごいと感心していたら、先輩社員さんたちが
「いつまでたってもこの寒さには慣れないな~」と言っていたのが意外でした。
慣れないという部分とは、凍った足元に注意するとか、フロストバイト(凍傷)にならないように肌を隠すなどの面倒のほかに、無意識にも『息を深く吸えない』とか『身体が委縮してしまう』ほどの極寒のストレスが生命の危険を本能的に感じさせる部分なのだと思います。
生命の危機を感じているのは人間だけじゃないのかもしれません。
生命といっていいのかわかりませんが、今回のブログ記事では私の車のバッテリーが生命の危機になった時のことを書きたいと思います。
もう7年の付き合いになる愛車のダッジキャラバン。
私はパトラッシュと名付けて、いつも一緒に職場に行っています。
職場の野外駐車場には建物沿いに外部コンセントがあって、寒冷地ではブロックヒーターコードを使ってエンジンをわずかに温めておくための仕組みがあります。
ボンネットの隙間からチョロっと寒冷地専用車には付いているプラグを出して、延長コード(ブロックヒーターコード)とつなぐというが必要な作業なのです。
仕事が終わって社員の皆さん、車の暖気をしながら車に積もった雪かきをして、プラグを抜いて帰っていくのが日常風景。
月曜日はたまたま最後に帰るのが私になってしまって駐車場には私の車だけが残っています。
暖気するためリモコンキーで自動エンジンスタートのボタンを押していたはずですがエンジンがかかっていませんでした。
もう嫌な予感しかしません。
案の定、エンジンをかけようとしたら『キュルキュル…』と苦しそうな音をたてるだけでエンジンがかかりません。
やばい……。
ため息が車内で白く漂います。
座っている車のシートが冷たすぎて痛く感じます。
だんだん寒すぎて手がかじかみ、指先が痛くなってきます。
冷や汗をかきそうになりますが、汗をかくと凍って余計寒くなるからかけません(←これは冗談)
(これはレッカー車にお願いするべきか?いや、考えてみればこの寒さだから他にもレッカー車が必要な人は大勢いるだろうから、レッカーを呼んだとしてもすぐ来られるかわからないな……)
電話しようにもスマホがこの寒さでバッテリー残量が減りすぎているのです。
何分経ったことでしょう。
仕事終わりで疲れて頭が働かなくなって、まぶたが重くなってきました。
キュルキュル鳴いている愛車、パトラッシュに話しかけます。
「パトラッシュ、疲れたろう。僕も疲れたんだ。なんだかとても眠いんだ。パトラッシュ……」
天使が迎えにきそうになっていましたw。(あれ?このシーン、あなたも再放送か何かで知っていますよね?もしかして知らない世代とか?)
白目をむきそうになりながらキーをもう一度ひねってみると、なんとエンジンがかかったではありませんか!!!(嬉)
「この風前の灯を消してはなりませぬよ」と天使がささやいてくれたように感じ、(次にエンジンを切ってしまったら死ぬ)という覚悟を持ちながらそのままコスコにカーバッテリーを買いに行きました。(店内に買いにいっている間もエンジンつけたまま)
バッテリーをこの日に買った人がいかに多かったかわかるほどに、いつもはいっぱい陳列してあるバッテリーの棚がスカスカです。実際に私以外にもバッテリーを買って帰る人が少なくとも3人いましたw。
マイナス30度以上の寒さって本当、バッテリーキラーですよね。マニトバ州ウィニペグで生活するに当たっての悪い面なのだと思います。
家のガレージに無事に戻ってこられて、妻に手伝ってもらいながら自分でバッテリー交換をします。外に頼むと100ドル(1万円)以上しますが、工具さえあれば30分くらいでできるものなのですね。
(Give awayデーでいただいた工具箱が役立ちました)
寒さで手が震えているから写真がぶれているのではなく、すごい速さでレンチを使ってナットを外しているのですw
マイナス端子とプラス端子、そしてバッテリーを固定するところの3か所をレンチで外せばバッテリーを取り除くことができましたよ。(YouTube動画を参考にしました)
(これが新しい心臓だよ、パトラッシュ。きっと移植手術を成功させるからね!)
カーバッテリーの交換方法のユーチューブ動画が使えるってありがたいことです。昔だったら『バッテリー交換=感電の可能性』など考えて自分でやろうとしなかったと思うのです。(手術するお医者さんたちも動画で手術を勉強しているのでしょうね)
無事にバッテリー交換を済ませていよいよエンジンをかける時間がやってきました。
キーを回した途端すぐに、本当にすぐにエンジンがかかって快音をガレージ内に響かせます。ドッ、ドッ、ドッド……って心臓の音のように安定したリズムが安心させてくれます。
「分かったよ。お前はいつまでも僕と一緒だって、そう言ってくれているんだね。ありがとう」
しつこいですよね、すみません。もうフランダースの犬ごっこはもうやめにします。
今回、自分でバッテリー交換をして気づいたこととして、以下の5つが挙げられます。
1,バッテリーの種類が多く陳列されていてどのバッテリーを買っていいのかわからなくなるため、レジストレーション(車検証)など車種や年式が書いてある書類を受け付けに持っていくと、店員さんが教えてくれて間違いがない。
2,バッテリーは車種によって大きく値段が違う。私の買ったバッテリーは223ドル(税込。約24000円)だったけどトラックは倍くらいの値段がしていた。
3,バッテリーが死にそうになると、以下のようにエンジンマークが点灯されることがあるが、
バッテリーを交換すればエンジンマークが消えるので安心した。(消えない場合は他の問題があるかも)
ちなみに、エンジンマークの左横のアラートマークはタイヤの空気圧が低くなっているサイン。これまた寒冷地ではよくあることで、うちではコスコに行ったついでにコスコ内駐車場にある無料空気入れ装置で空気を入れています。
足元をしっかりしておくことも寒冷地では重要です。
(「クララが立ったわ!」って、これはアルプスの少女ハイジかw)
4,Block Heater Cordをつけていたにも関わらずエンジンがかからなかったということは、やはりバッテリーの替え時だった。
バッテリーの警告灯がついたこともなくエンジンがかかりづらくなったわけですから何か他にも原因があるのではないかと疑ってしまうけど、結局は(寒さと)バッテリーの替え時だったということ。うちは比較的車を使わないから7年くらいもってしまったけど、使用頻度に応じて2年から5年の間で替えるのがよいみたいですね。ちょっとでもエンジンのかかりが悪くなったら、本格的な冬を迎える前に替えておくことが必要だと思いました。
5,古いバッテリーは買ったところで引き取ってくれる。(ゴミ箱に入れて捨ててはダメ!)
コスコで新しいバッテリーを買った際、『Core Fee $10』という表示がありました。これはバッテリーを買った領収証を持っていけば、古いバッテリーを10ドルで引き取ってくれるというもの。
処分料10ドル払うっていうのではなく、10ドル+税が返金されるのです。これって良い仕組みですよね。実質10ドル引きで、さらに処分に困るバッテリーを引き取ってくれるのですから。
いかがでしたでしょうか?
以上が私のカーバッテリー交換に関する実体験でした。
もし、この極寒の地でのカーバッテリーの交換について私の経験がほかの人の役に立つことになれば嬉しいです。
寒い日が続きますが、あなたにとって引き続き素敵な1月の最終週となりますように。
それでは、また。