ウィニペグの日常風景その18「霧のダウンタウン。不気味さやヤバい人について」
今日2021年1月9日(土)のウィニペグの最高気温はマイナス3度、最低気温はマイナス10度を予報しています。この時期にしては暖かい日が続いていて、このまま冬将軍がこなければよいのに。まぁ、冬将軍が来なくてもいきなり冬皇帝(マイナス40度位)がきてしまうようなウィニペグなので2月初旬は特に注意です。
比較的暖かいからか、ここ数日霧が出ています。
ビルの上が見えません。
霧が出て、マイナス気温で、夜中に雪が舞うと朝には樹氷が見られるのがウィニペグらしさです。
桜のように見える樹もあって目の保養になります。
上を見て歩いていると雪や氷に足を取られて転ぶので注意が必要です。歩道は雪が解けてグズグズになっていますが、車道は除雪車のおかげで雪がありません。
うちの前も大きな除雪車が3台も通っていきましたよ。
幹線道路はこの暖かさと除雪で水たまりができていて、バス停までの歩道を歩いていると走っている車が水をはねて、全身ずぶ濡れになるなんてこともあります。実は1月4日の出勤初日にバス停近くで車に思いっきり顔から足まで水をかけられさすがに怒ってしまいました。でも、さすがフレンドリーマニトバ。「ごめんなさい。わざとじゃないのはわかってくれると思うけど、私、急いでいて…」なんと!謝ってくれたのでした。ただでさえ歩道を歩いている人が少ないのに、このコロナ時期でさらに外出している人が少ないから構ってられないのはしょうがないですけどね。それに4月の雪解け時期ならまだしもこの時期に水たまりはあまり残りません。雪のままか凍ったままですからね。
昼間はまだ気温も人も暖かいのですが、夜になると変わるのでしょう。
ダウンタウンでは特に治安が悪くなります。
昨日はバス停のガラスが割られていました。この中にいるとヒーターがあって暖かく、バスを待っていられる一方、暖かいからホームレスが住み着いてしまって、マリファナのにおいやお風呂に長いこと入っていない人の動物臭のようなにおいが鼻にツンときます。
ホームレス風の人たちは一人だとおとなしいのですが、二人以上いると気が大きくなって盛り上がってしまって器物破損や致傷などの事件になりやすいようです。幸い私は怖い目にあったことがなく、ただ「タバコ吸いたいからライターある?」と言われ「吸わないからない」と答えたら罵声を浴びせられたり、2か月前にはゆっくり車がうしろから近づいてきて車内からアジア人ヘイトを叫ばれ中指を立てられたりしたくらいなのでまだましなほうだと思います。
バス停も怖いですが、夜はバスの中も変な人が乗ってきます。
この写真は見づらいですが、手にグリーンの液体が入ったボトル(洗剤ボトルのような)を持って、それを飲んでいるんですよ。アルコール成分が入った液体だからでしょうか?不気味な風景でした。
バスの座席の後ろの窓のガラスに穴が開いているのが見えますでしょうか?
銃じゃないと思いますが、どうやったらあのような穴があいて、だれがなんのためにあけたのかと考えるとやはり不気味です。
ウィニペグの裏の側面にはこのような治安の悪さや不気味さがあり、
それらになじんでいくために何ができるかを考えてみました。
あなたでしたら、どのように対処していきますか?
私はウィニペグに住んで4年半経って、ようやく一つの結論に至りました。
そう、
自分自身がヤバい人になりきるのです。
(包丁を研ぐ時にはたいていヤバい奴になっています。笑)
夜11時に仕事が終わってバスで帰るという生活を続けてきて、実際に効果があった方法は大きく分けて2つ。
「目があってもそらさず、むしろ目を見開いて『ムフフフフ』と笑うこと」
次に効果があった方法は、音楽ライブの観客のように
「ピョンピョンと上に跳ねたあとすぐに機敏に動くこと」
しかもこの二つを組み合わせるとたいていの相手に「あ!ヤバい奴がきた」と思ってもらえます。
相手がラリッていてすでにヤバい状態だと、私を仲間だと認識してくれて攻撃してこないという現象は、ドラマ『ウォーキングデッド』のゾンビをまねるのに似ています。
犬だって、こっちが逃げると追いかけてきますし、縄張り意識があるわけですから、通勤などで毎日通る場所では、相手を避け過ぎず相手の懐に入っていくような感じで、あなたらしいヤバさを演じることでウィニペグらしい夜の過ごし方ができるのではないかと……。
ウィニペグにいる人はぜひ試してみてください。
また、ウィニペグに将来住むようなことになる人は自分の変顔やヤバい人役のレパートリーを増やしておいてくださいね。きっと役に立つことでしょう。
そして、夜のダウンタウンでピョンピョン跳ねながら目を見開き、笑っている人を見かけたら「ボルさん、今日もウィニペガーらしいね」と優しく見守ってくださいね。
でも、本当にヤバい人にならないよう気を付けたいと思います。(←え!もうなっているって!?笑)
それでは、また。