「わたしが日本を出た理由」という記事を読んで『生きる力』について考えた

先日、実家から「朝日新聞に『わたしが日本を出た理由』という特集記事が連載されていて○○おじさんが切り抜いてくれていたから送るね」
と連絡があり、1週間ほどして手紙がポストに届いていました。(感謝です!)

今回はその概要と私の雑感を書いていこうと思います。

朝日新聞1月27日の一面には、2022年10月1日の統計で海外に永住した人は昨年に比べて2万人増え、永住者の累計は過去最高の約55万7千人になり、20年連続で増加しているというような内容が書かれています。

(上の写真の図は朝日新聞1/27の一面の記事より)

2月4日まで「わたしが日本を出た理由」という特集記事は7回続き、カナダ、オーストラリア、ドイツ、フィリピン、マレーシアなどへ移住した人たちのインタビューが載っています。

海外移住への理由には、以下のような内容になっていたのではと勝手にまとめてみました。

1,日本での賃金や生活費の不安

2,日本の劣悪な労働環境・キャリアアップ・出稼ぎのため

3,日本の人口減による経済の先行き不安

4,子どもの教育のため

5,海外の多様性を認める文化や寛容性が好き

事例として医師や教師、看護師、起業家などの声が挙げられていて、日本の労働環境や給与、そして生活全般への生の声が書かれていると考えさせられます。(以下、概要を抜粋)

「自分の時間や人生が全くないような日本の労働環境」

「自分の専門性を高めると給料として反映される。キャリアアップを目指している各国からの移民者は多い」

「日本では余裕がなくイライラして、子供に向き合えない罪悪感。旦那が鬱になってフィリピンに」

「現地の高い物価や家賃を考えても、日本にいた頃より可処分所得も貯金も増えていく」

「日本は失敗に対する風当たりが強いし、性別や年齢に関する固定的な価値観で人をジャッジする社会だと感じる」

上記のように、日本経済・日本の生活について不安や不満の声がある一方、

移住先で「母国で培った経験に目を向けてもらえない」とか「コロナと呼ばれて差別を受けた」など海外移住に対する不安や不満も書かれている記事がありました。

 

特に私が共感した「日本を出た理由」は、

「子どもたちには、多様な価値観や生き方に触れ、生きる力を養い、選択肢を増やしてほしい」というもの。

記事の中では詳しく書かれていませんでしたが、

『生きる力』とはいったいどんなものがあるでしょう?

私の意見(我が家の場合)を書いてみたいと思います。

子ども達が通うカナダでの学校教育を見ていると日本の教育より、みんなの前に出てプレゼン(発表)をしたり、文化的素養が違うにも関わらずうまくチームワークで何かを仕上げたりすることが多いように感じます。これらは子どもの生きる力となる『自主性・主体性』や『社会性・連帯性』を育てているのだと思います。

単なる「わがまま」や「依存関係」、「空気を読む」のではなく、自分を愛すること(自己肯定感)ができ、相手への尊重、距離感を、文化的バックグラウンドの違う生徒たちから否が応でも知ることができるため、子どもたちは感情を割り切りやすくなるし、自分や相手に対して過度に期待しない・押し付けなくてすむようになるのです。

逆のケースとして「自己愛の塊」のような子や「博愛で優しすぎる子」などが育っている場合がありますし、日本の教育のほうが優れているところも多いのですが、生きやすさや生きる力という面を考えるとカナダのほうが我が家の子どもたちにとって合っているような気がしています。(生きる力といえば、キャンプなどでのサバイバルで鍛えられているというのもある)

子どもたちが英語やフランス語の素養がはぐくまれれば、職業を選ぶ幅も広がるでしょうし、旅行に行く際にもそれほど緊張しなくて済むことでしょう。移住すると「もしかしたらどこでも暮らせるようになるのでは?」と自信につながるところが家族全体の生きる力を増幅させるように感じます。

 

海外へ短期間旅行することと、海外移住することの大きな違いの一つとして、日本以外で

【確定申告(タックスリターン)をするかしないか】が挙げられます。

今、ちょうどタックスリターンのシーズンなわけですが、T4フォームや領収書などを集めてオンラインで済ませるまでだいたい半日くらいかかります。この一連の手続きを済ませると「ああ、海外で生きているな~」と実感すると同時に、家族の『生きる力』がさらにレベルアップするような気がしてくるのです。

今回のリターン額(還付金)は、妻がフルタイムで丸1年間働き続けてくれたおかげで共働きとなり、さらに、副業でまとまった売り上げがあったためか、前回の半分くらいの金額になってしまい残念でした。でも、自分でT2125フォーム(←スモールビジネス用)まで作成して無事に確定申告を終わらせたことは自信につながりましたよ。ちなみに2月25日(土)にオンライン申告して、3月4日(土)には還付金が銀行口座に記入されていました。(実際の入金日は月曜日の3月6日)

申告から入金まで2週間くらいかと思っていたらまさかの1週間で「早い!」と感じました。

確定申告は別に自分でやらずにお願いする方法もありますが、自分でやると、その国の仕組みや経済の流れのようなものを知ることができますし、なにより自分の家計の見直しにもつながりますので、無料のオンライン申告を楽しんでみてもよろしいかと思います。(T2125フォームなど追加用紙が必要な場合は有料プランになりますが……)

 

最後に、『生きる力』とは【生活力】があるかないかが問われているように思います。

この生活力とは、丁寧な生活ができるかどうかと言い換えることができそうです。

例えば、ファストフードばかりを食べていたり、汚部屋になってしまっていたり、期日や約束を守らなかったりしていると、健康やお金は逃げて、生きづらくなっていくというイメージです。

私がレッドリバーカレッジに通っているときの同期が永住権申請をしている途中で自分の国に帰国してしまったという話を聞いて、理由を聞いてみたところ、

「就労ビザの更新を忘れてしまっていて……」

という、なんともお粗末というか、もったいないことで永住権を諦めざるを得なくなってしまったのです。部屋を綺麗にしていれば更新するための書類をなくさずに済んだとか、インスタント食品ばかりで体調を崩していたなどの話も聞いたので、これは生活力の欠如が招いた結果だったのではなかろうかと思ったのでした。

生活力というのは学校では習いませんし、実家暮らしをしていると親がなんでもやってくれるため、生活力をはぐくむことは難しく、例えば旅行や一人暮らしをした際に「自分で自分のことをどれだけできるか」を実体験することで育みやすくなるものです。

旅行や一人暮らしをしなくても、自炊を今まで以上に多くするとか、自分以外の部屋も片付ける、遅刻をしない仕組みを作るなど地道な努力の積み重ねで、生活力はあがっていくことでしょう。

完璧にこなす必要はありませんが、もし海外移住を目指しているのなら、英語力や経済力もさることながら、生活力に意識をしておいたほうが、より海外で生きやすくなるのではないかと思うわけなのです。

同時に、日本の経済や社会の不満はあれど、

「暗い、暗いと不平を言うよりも、進んで灯りをつけましょう」

といったような心持ちが生活力(行動力も)を育んでいくのだと思います。

 

以上のことを自分への戒めとしてw、2023年3月以降も頑張っていきたいと思います。

それでは、また。

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