ウィニペガーって冬の怖さ自慢したがりませんか?極寒に誇りを持っているというか……。

カナダ・マニトバ州ウィニペグではようやく雪が数センチ?数ミリ?積もりました。いつもは10月中旬には積もり始めるのに1か月くらい遅い初積雪です。(ウィニペグには山がないため、初冠雪という言葉が使えません)

昨年も暖かく、今年もまだ比較的暖かいため、なんだかウィニペグらしくありません。

今通っている職業トレーニングセンターでは、アフリカ系の人が多く、ウィニペグにきて1年しかたっていない人なんかもいるわけでして、まだマイナス7度くらいなのに「寒すぎるね」なんて話し合っています。

その会話を聞いていた生粋のウィニペガーであるクリスが
「こんなのウィニペグらしくないから、たぶんこれからグッと寒くなるよ、きっと」と、ニヤリとしていたのを私は見逃しませんでした。

(あれ?もしかしてクリスも「ウィニペグの冬をなめるなよ」と思っちゃう派?)

このことですw。

ウィニペグに留学や移住を希望する人にとって恐怖でしかない極寒のウィニペグの冬。

昔、子供たちが通っていた日本人学校(マニトバ日系文化センター)では、新しく日本から来たご家族に対して『いかにウィニペグの冬がつらいか』を力説してしまう日本人ウィニペガーが少なからずいらっしゃったのを思い出します。

「どんな対策をしたらよいですか?何が必要ですか?」など、私も何度か聞かれたことがあります。

そこで、先輩風を吹かせるかの如く、ウィニペグの寒さ自慢や、武勇伝的な話が新しくウィニペグにくる(来た)人に話される光景は一種の風物詩となっているように感じます。

「ウィニペグの冬をなめるなよ」と思っている人の中には『いかにウィニペグの冬が怖いか』と新参者を怖がらせて楽しんでいる人さえ見受けられます。

これは例えば、「京都の夏は暑いどすえ」という京都人に似ていますw。

「東京もかなり蒸し暑いですし、こちら京都でも問題なく過ごせると思います」と言い返したところで
「いやいや、あんさんはまだ京都の暑さをしらへんさかいな」と鼻で笑われてしまい、いかに京都の人が自分の住む土地のオンリーワンさをアピールしたいのかという心理と似ているというわけなのです。(京都に限らず他の土地にもみられることですが……)

 

ウィニペグの寒さアピールでよく使われる話として、

1,ダイヤモンドダストがみられる。

2,庭や公園、川の上などにスケートリンクが作られ、冬の間楽しめる。

3,マイナス20度くらいから息をすると鼻毛が凍るのを感じる。(まつ毛も凍るのは不便)

など、まだ可愛いと思える話がありますが、

4,フロストバイト(凍傷)にすぐなるから手袋や帽子は必須。特に帽子は耳を外気にさらさないものがよい。

5,ガス欠やエンストしたら死を覚悟することになるから車のメンテナンスは重要。

6,お湯をかけて氷を溶かそうと思わないこと。お湯はすぐに凍ってしまってさらに氷の厚みが増すだけだから。

と、だんだん話がシビアになっていき、

7,真冬に窓を不用意に開けないこと。窓枠に付着したちょっとした水分が凍って閉まらなくなってしまうから。

8,洗面所やキッチンなどの水回りに近い窓を真冬に開けっ放しにしないこと。寒さで水道管が凍って破裂し、漏れ出た水がさらに凍ってとカオス状態になる。

9,冬には外で待ち合わせをしてはならない。その待ち合わせまで行くまでに足元が冷えていき、待っている間に足先の感覚がなくなり、両足先が凍傷になりしばらく歩きづらくなる。

10,待ち合わせなどで散々な思いをしたら、思わず泣いてしまうかもしれないけど外では泣かないこと。その涙でさえ頬を流れる途中で凍ってしまうから……。(頬っぺたも凍傷に)

ひぇ~!ウィニペグの冬って怖え~!ってな感じになりませんか?

この他にも脅しのように使われるストーリーがたくさんありますし、実際に体験されたウィニペガーさんも多いと思います。

たぶん、ウィニペグに住んでいる人は、極寒の街で生き延びていることに誇りを持っているように感じます。

 

最近はウィニペグであまり体験しませんが、体感気温マイナス40度という数日が1月終わりから2月の初めころにあります。

私も昔経験しましたが、ガソリンスタンドでセルフ給油をする際、あまりに寒くてすぐ指先がキーンと痛くなるし、息を深く吸えないほどの冷気に恐怖を感じました。でも、そんなマイナス40度の日は本当に数日のみでして、マイナス20度くらいなら身体がすぐ順応してしまいます。

一度、ウィニペグの寒さがスタンダードになると「日本のマイナス1度ってものすごく寒く感じたけど、あれってウィニペグで計られているマイナス1度と同じ温度なわけ?ウィニペグだったらマイナス1度だったら上着を着ない子どもがいるよ」ってな感じになるから不思議です。

私もマイナス1度は暖かいと感じるため、いずれ冬に日本へ一時帰国した際にはその寒さの違いを実感してみたいと思っています。

人間の順応力ってすごいのだと思います。住めば都になりえますしね。

 

最後にウィニペグ在住9年目の私が実感するウィニペグの冬の怖さとは、

実は、マイナス40度など【冬の寒さ】という現象に怖さがあるのではなく、

【冬の長さ】のほうが精神を蝕んでいくから怖いのだということ……。

(おそらく他の日本人ウィニペガーの皆さんも大きく頷いてくださっていることと思いますw)

増していく食欲(ダイエット)へのストレス、日照時間が短いことが身体や睡眠に影響してくるストレス、外で遊べない(家で孤独な)ストレス、そして雪かきなど寒さにまつわる諸々のストレスが日に日に溜まっていくと、メンタルヘルスに影響してきます。

逆に、これらのつらさを乗り越えられるようになるからこそ「この極寒で長い冬をサバイバルしてきた誇り」のようなものが生まれるため、「ウィニペグの冬をなめるなよ」といつの間にか思うようになるのかもしれません。

ですから、ウィニペグに住んでいる人がウィニペグの寒さのことを滔々と話し始めてもどうか優しい目で見守ってあげてくださいね。

そしてもし、ウィニペグ行きを考えていらしゃる方がいましたら「ウィニペグにくればどこの土地の冬でもへっちゃら!」になれるチャンスですw。順応性が鍛えられるという面でも楽しみにしてウィニペグに来てくださいね。

あ、でも、旅行や出張、移住や他州から引っ越ししてくるのでしたら冬ではない時期にしたほうが無難です。(急にこちらの冬に順応させることは身体や精神に負担がかかりますからね)

もし、何かウィニペグでの引っ越しや便利屋的な業務でお手伝いできることがあれば遠慮なくご連絡ください。

それでは、また。

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