年とともに図々しさ(狡猾さ)が増えて生きやすくなるのでは?←人による。
今年の夏は山火事が多く、お天気案内では「Smoke」と表示されている日をよく見ます。
朝、外に出ると煙の臭いがしてきて、朝や夕方の太陽が真っ赤になっているなんてことも……。
最近では、上の写真のような太陽をみると近くで山火事がまだ起こっているんだとわかるわけです。
バンクーバーでの山火事の煙が平野部を通ってこちらまで届く例が多いですが、最近マニトバ州の北西部で山火事があったようで、霧の中にいるような感じでした。
被害を受けている方々には心よりお見舞い申し上げます。
さて、煙の臭さもさることながら、最近、妻の新しい職場で、きな臭さ(物騒な)の被害にあってしまったお話を……。
7月中旬からトレーニングが始まり、働くのが好きな妻は意気揚々と出かけていきました。
しかし、一週間経つ頃には気持ちが沈んでいき、2週間経つ頃には体重が3キロ落ちて、体調不良をうったえるようになっていってしまったのでした。
なぜかと言いますと、トレーニング担当者からパワハラにあっていたのです。
その担当者以外にもその担当者に追随する同僚は新人いじめに加担してきます。
「それは、取り扱い説明書をみればいいんじゃないの?」
と言われて説明書を読んでいると、他の人から
「そんな説明書をみているより早くやっちゃったらどう?」
と怒られ、
他にも、
「メモをとって覚えるのよ」と言われたかと思ったら「メモとるより目で見て覚えなさい」と他の人から言われるといった状態。
朝に言っていたことが昼過ぎには違う指示になっていることはざらで、
「さっき言ったでしょ!」(言っていない時もあったし、違う指示になっている)
「一回で覚えなさいよ」(難しい手順をどう一回で覚えるんだろう……)
「あの人に渡してっていったのに、どうしてほかの人に渡しちゃうの!」(まだ名前も場所もわからないのに)
挙句の果てには、他の同僚を巻き込んで妻をバカにするという陰湿さ。
妻が教えてくれた内情を知って私は危なくその職場に乗り込んで文句を言いにいきそうになりました。
私は良かれと思って妻に「言われて酷いと思ったことは時間と場所をメモしておいて」とか「上司やマネージャーに訴えて」とアドバイスするのですが、波風を立てたくない妻は、スッと消えるように仕事を辞めることにしました。
私はその辞め方がどうも納得がいかず「どうして「あんた(トレーニング担当者)のせいで辞めるんだ」くらいのことを言わなかったのさ」と思わず妻にぼやいてしまいました。
「相手と何かが違う・合わないと思ったら執着せず、我慢せずにスッと離れるのが一番いいと思うのよ」
そう、これが彼女の美学でした。
私はどうしても直接対決や問題解決をしないと気が済まない性質でして、
例えば、以前、外食産業で私がいじめにあった時に、いじめていた相手に直接、
「あなたは私にやめてもらいたいわけですね」
と言ったら、やめさせたという責任を恐れた相手の態度がコロッと変わって大人しくなった経験をしたこともあり、妻にその(狡猾な)やりかたを押し付けてしまいそうになっていたわけです。
私の信条として「図々しくなればなるほど、もっと自分なりに問題解決がしやすくなり、生きやすくなるのではないか」と思うからこそ押し付けたくなってしまうのですけどね。
自分なりの問題解決といえば、私がカナダグースをパンデミックでレイオフされたあと、戻ってきて新しい環境になったとき、こんなことがありました。
「あの~。マイナスドライバーを貸してもらえますか?」
ベテランの女性に話しかけたところ、
「あ、これ?5ドルね」
だって。
その方に失礼かもしれませんが、強面のボスキャラ的な女性で怖い存在なのです。
初対面だから冗談か本気だかわからず、ただ「刑務所のドラマや映画でみたことのあるシーンじゃん!」と思ったものでした。
あなたでしたらどのように切り返しますか?
「切り返す」ではなく何も反応せず、他の人に借りるのもありですよね。
でも、無視したら気まずくなるし、冗談だとしたら失礼になるかもとか考え始めてしまいそうです。
このような場合、若くて純粋の人のほうが苦労すると思っちゃうんですよ。
「本気で言っているんですか?」
「まいったな~」
などの返しでももちろんいいのですが、相手の懐に入ることで相手に味方と思ってもらえる狡猾さを持っていると便利だと思うのです。
怒られた時もそう。
怒った相手も気まずくなっていることが多いわけですから、例えば、こちらから積極的に話しかけたり、相手の体調を気遣うことで怒った・怒られた気まずさをなるべく早く打ち消すことができるのです。
思うに、『相手に気を遣いすぎて何も言えなくなったり、こっちのプライドや意地で何も言えなくなってしまう』といった若気の至りを経て、自分なりの解決方法、コミュニケーションの仕方に行き着くのではないでしょうか。
私なんて、すっかり禿げあがって年をとり、狡猾になったからこそ、さきほどのボスキャラ的な女性に対しても冗談で言っていると決めつけて、
「あとで飴ちゃんあげるからね」
と、軽くかわし、マイナスドライバーを返す時実際に、
彼女に5ドルを渡すことにしたのでした。
カナダグース社員(私)が勝手に発行した通貨で……。
これを渡したら、大笑いしてくれて、それから今も同等の立場のように仲良くさせてもらっています。
「それは、あなただからできることでしょ?」
妻に言われてハッとしました。
以上に書いたような流れは、私の過去の経験や信条などが、私なりの問題解決の方法を作ってくれているからこそできることなので、妻や他の人のケースに当てはめて良いものではありません。
私の価値観を押し付けるようなアドバイスにも彼女はさらりとかわして、今ではすっかり体調も戻って、次のステップに行こうとしています。頼もしい限りです。
私は彼女の次のステップとして、押しつけにならない程度にカナダグースを妻に勧めたいと思っています。人間関係はあってないようなものですし、彼女もミシン仕事が好きですからね。(子どもの送り迎えがあるからお互い一緒のシフトというわけにはいきませんが)
妻の次の職場が決まるまで、彼女は家でDIYを私に代わってやってくれています。
コーキングガンを使ってシリコンを塗ってくれているその後ろ姿は、
アイドルグループのほら、
なんて言いましたっけ?
『コーキング娘』だっけな?(モーニング娘、なつい!笑)
そして、ABS接着剤を使っているその姿は、
なんだっけかな~?
シュシュなんかをつけて、
「私を嫌いになっても、ABSは嫌いにならないでください!」
ってセンターの人が言っていたあのグループって?(これまた古!)
以上2枚の写真を撮らされて、ブログに載せられて、おやじギャグに無理やり巻き込まれるというパワハラ?、いやモラハラ?のようなことをしている旦那をどうか嫌いにならないで欲しいです。
7月は私たち家族にとって怒涛の月でしたが、
あなたにとっても私たち家族にとっても
素敵な8月になりますように……。
それでは、また。