キャンプ近くでトレイルを探し、トラブルになり冷や汗をかく。

前回のブログでも書きましたが、スプルースウッズのキャンプグラウンドに行ってきました。

この地域には砂漠があるので、トレイル(自然散策コース)を歩くと非現実を感じられて旅気分を味わえます。

マニトバ州が管理していますので、危険はほとんどありません。ただし、このスプルースウッズにはポイズンアイビーが多く生えているので、皮膚が葉に触れることで荒れることがあるため注意が必要です。

湖のほとりには『Dog Swim Area』というワンちゃん専用のビーチがあったり、以下の写真のように、尾瀬のトレイルのような作りがあったりと州が自然公園を管理していてくれています。

これら州立公園に車で入るためには入場料が必要でして、我が家では年間パス(44.50ドル。円安の現在約4,800円)を使っています。一日のみのパスですと9.5ドルです。(2023年現在)

許可証は車のバックミラーのところにかけている人が多いように思います。

上の写真のような看板があるところに入っていくには許可証が必要でして、逆に言えば看板があるところは州が管理してくれているから、なにかしらの観光スポットになっているということなのだと思います。

さて、ここからが今回のブログの本題になるのですが、上の写真のように車の許可証を求められる看板があるから「この先に目的のトレイルがあるのだと思う」と突き進んでいったらトラブルにあったというお話になります。

舗装されていた道路から、上の写真のような看板があるすぐ横の舗装されていない道に入っていきました。

あたりは何もなく、ただタイヤの轍(わだち)が続いているだけ。Uターンもできません。

2キロくらい先に湖か川がみえてきて、ようやくUターンができる場所がありました。

そのUターンができる場所のすぐ手前に急な下り坂があったのには困りました。覚悟を決めて滑るように坂道を下りていきました。

「こりゃ、帰りに上れるかな?」

と、まぁ、この時点で『上れないフラグ』が立ってしまっていたのですw。

帰りの際、上り坂を順調に登っていたかに思えたその時、真正面から朝日が目に入ってきてハンドルを奪われました。

急に「ドスン」と、いままで走っていたわだちからちがうわだちに落ちて車が動かなくなってしまったのです。

(↑黄色い線のように高いほうのわだちを通ればよかったのに、ハンドルをとられて赤い線ほうの深いわだちに落ちてしまった)

一瞬、パンクか、あるいはもっと大きなダメージで動けなくなっているのかと思ったのですがバッテリーも無事で、どうやらただ前輪が空回りしているだけでした。(この車は4WDではなくFF車)

 

轍にしっかりはまってしまって、うしろから押してもらおうが全く進みません。

ウィニペグではこのような立ち往生は、雪解け時期のシャーベット状になった氷のわだちでよくある現象でして、たいていは人に助けてもらえますが、まさか誰もいないこんな場所で動かなくなるとは……。

タイヤを左右に動かしたり、バックにギアを入れて試したり、近くの枯れ草をちぎってタイヤの近くに敷いたりして脱出を試みるのですが、キュルキュルとタイヤのゴム臭いにおいと砂埃をまき散らすだけですぐに10分が過ぎていきます。

「パパ、こんなこと初めて?どうしたらよいの?」と子ども達も心配してくれます。妻は落ち着いたもので「見ててこごらん、我が家のことだからこの後「あの時はどうしようかと思ったけど笑い話になったね」って話しているから」と、子ども達を安心させてくれていました。

上の写真のように逃げられない道の真ん中で動かなくなり、しかも20分経っても誰も来る気配がない。

電話は圏外で、仮につながったとしてもこの場所(ほとんど目印となるものがない)を説明できません。

次第に絶望の色が濃くなっていきます。

「よし、みんなでこれから2,3キロ歩いて舗装された道路に出て助けを求めよう」

車にカギをかけ、私たち家族は助けを求めて歩き始めました。

上の写真をみていただけるとわかると思うのですが、あとちょっとで坂を上りきる場所で、車体が上を向いています。

暑い日じゃなくてよかったと思いました。日陰なしの荒野を水も飲めずに3キロを歩くとなると、子ども達のことが心配になります。

歩き始めてしばらくして、妻がゴム製のマットレスを見つけました。

「あ!これをタイヤにかませたらどう?」

なるほど。

すぐに現場に戻って試してみることにしました。

これだけでは全然効果がなかったため、後部座席から足マットをはがして、前輪の反対側のタイヤにかませることにしたのでした。

それでも前に上っていきません。

すでに30分近くが経っていて、前輪は砂利や砂で擦り減っていき、以下の写真のようにボロボロになってしまいました。

このままだとパンクするかもしれないし、早めに助けを求めたほうがよいかもしれない。助けを求めて歩いて、この現場まできてもらうのに少なくとも3時間はかかると思う。子ども達が喉乾いたと言い始めたらと考えると、次のステップをどうしたらよいか、一家の長としておおいに悩みました。

私たち家族はもう一度、助けを求めて歩き始めることにしました。だって車が全然動かないんですもん。

歩いているうちに、ふと「あれ?あのラバーマットをかますのは、前進するときだけだったよな?後進するためにかましたらうまくいくんじゃない?」と思い立って、家族に

「ごめん、とうちゃんの最後のわがまま聞いて!もう一度車まで戻って、後進するためにラバーマットや足マットを前輪の後ろ側にかませてみたいんだけど!やれることはすべてやってみたいからご協力お願いします!!」

この時もそうですが、誰一人として私を責めることがなく、協力してくれたのには感謝しかありません。

すぐに現場に戻って、前輪タイヤの後ろ側にラバーマットと足マットをかませて挑戦してみることにしました。

子ども達と妻が車の前方から「せーの!」という掛け声で、車を押してくれます。

キュルキュルと滑ってダメかと思いきや、タイヤを動かしてグリップ力を得たからか、はたまた家族が前から押す力が今まで以上に強かったからか、

急に後ろに下がり始めたのです。

やはり、車は重たいから上に登ろうとするより、下にさがるほうを選んだほうが初速度を得やすいというわけなのですね。何もタイヤにかませない時に後進させようとしても動かなかったため、マットをかますやり方で後進させることを試そうとしなかったのは反省です。

ちょっとでも動いたらこっちのもので、すぐに他のわだちをのぼって上まで登りきることができましたよ(嬉!)

坂の上で喜んでいる家族のもとへ私が運転する車が近づき、私はすぐ車を降りて、

「どうしたんだい?君たち? よかったらこの車に乗っていかないかい?」

と声を掛けたらみんな安堵の大笑いをしてくれました。

娘は「初めてだよ。嬉しくて泣いたのは」と大粒の涙を流しての泣き笑いの状態でした。

心配させて本当にごめんね、そして手伝ってくれて本当にありがとう。

ちなみに、前輪にかませた足マットにも感謝。

擦り切れてこんなにボロボロになってしまいました。

「このマットは私たちを助けてくれて、まさに英雄だよ。額に入れて飾っておきたいくらいだよね」と子どもたちがいっていました。この犠牲だけで心配が解消されたのですからありがたいことです。

もっとも、妻があの時に偶然ラバーマットを見つけてくれたからこそ問題解決につながったのでした。感謝です。

その妻が見つけたラバーマットは、次の人がもしトラブルになった時のために置いておくことにしました。

は!

そうか!!

あのラバーマットが現場近くにおいてあったということは、ほかの人もはまってしまって困ってラバーマットを使った歴史があったということかもw。

とにかくあの場所にうながすような看板を立てた州立公園の管理者に軽く怒りを感じましたw。

 

この出来事は我が家の伝説・歴史になることでしょう。

「ママが言ったとおりだったね。「最初はどうしようかと思ったけど笑い話になる」って本当だったね」

たった40分くらいでしたが、家族で大冒険をしたかのような濃い時間を過ごしました。

車中にて、ひとしきり今回の経験を家族みんなで話し、絆が深まったような感じがします。

子ども達はほんとうに頼もしいし、逞しく育っています。今回は少しヒヤッとしましたが、ケガや熱中症など大事に至らなくてよかったです。

ウィニペグに無事に帰ってきて、その日のうちにコスコへ行き、新しいタイヤを予約しましたよ。

やがてタイヤ交換についてのブログも書いてみたいと思います。

次回もキャンプについてのブログを書いて今年の夏休みの備忘録としたいと思います。

引き続き良い8月を!

それでは、また。

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