カナダでエアコン故障。修理せず新品に交換してもらった時の話。

2021年6月27日(日)のマニトバ州ウィニペグの最高気温は27度。最低気温は13度で若干蒸し暑かったです。日の出は5時22分、日の入りは21時41分。つい先週の夏至あたりは夜の23時まで西の空に薄日が残っていましたが、今はもう23時を過ぎると真っ暗になります。

週間予報によると今週は30度越えの暑い日が多いらしいのでエアコンが活躍することでしょう。

さて今回は、カナダ(我が家)のエアコンについて書いてみようと思います。

日本のように各部屋にエアコンがついているシステムではなく、カナダでは多くの建物でパワフルなセントラルクーリングシステムを(セントラルヒーティング同様に)使っているわけでして、冷気が部屋中のダクトを通って、各部屋が冷えていくことになります。

そのメインコントロール機械はベースメントに置いてある場合が多く、一軒家で中古物件の場合、たいてい前のオーナーから引き継がれます。(冷蔵庫や洗濯機、乾燥機なども引き継がれる場合があります)

うちの前のオーナーも新しいヒーターとエアコンのセントラルシステムを導入していてくれて(合計で100万円くらいかかっている?)、私たち家族が入居してから今まで4年間、まったく問題なく活躍してくれていました。

しかし、以前のブログに書いたように、つい先日に急に冷房が効かなくなり、エアコンのパーツが凍結し始めたではありませんか!

そもそも以前から冷房の効きが悪く、2階まで冷気が上っていきません。

そこで、前のオーナーがこのシステムを導入したWinnipeg Supply(ウィニペグサプライ)という会社に連絡して、来てもらうことにしました。

前のオーナーが置いて行ってくれた10年保証の保証書が使えたらと思っていたのですが、どうやら契約した家族でないと保証が受け継がれないらしいのです。

「保証書はこの機械に対してついているんじゃないの?第一、契約者本人しか使えないなんてどこにも書いていないよ」

「とにかくエアコンをみてもらいたいんでしょ?それだったら出張点検費の99ドルプラスタックスを払ってもらう必要があります」

あちらは強気で、私が少しごねたところで何も解決しそうもありません。

結局、約10,000円弱を払い、来てもらって、故障個所を見てもらうことに。

 

ごつい体で刺青だらけのエンジニアさんが時間通りに来てくれて、室外機のダクトから圧力を測ります。

「圧力が120なければならないところを100を切っているね。これはどこかで空気が漏れている証拠。配管の穴をブラックライトを使って探すのに約860ドル(約8万円弱)、パーツを交換するのに約1600ドル(約14万5千円)かかると思う」

ひぇーー。

エアコン修理ってこんなにかかるんですね。

え?

騙されているんじゃないかって?

そう思いますよね。

私も、そう思って相場をあらかじめ調べてみたらやはりそれくらいかかっているのでした。(セントラルエアコンでパワーが大きいですからね)

壊れやすいパーツを取り付けていたからすぐに壊れたんじゃない?とも思っていたのですが、

その強面のエンジニアさんは室外機のパネルを開けて、

「こんだけ室外機のフィルターにホコリがたまっていたら冷房の効きが悪くなるし、パーツも壊れやすくなるよ」

と、見せてくれたフィルターとは以下の写真です。

ひぇーーー!

ホコリでびっしりじゃないですか!

こんな室外機の中にフィルターがあるなんて知らなかったですし、先輩たちに聞いたときは「室内のフィルターを3か月に一度替えればいい」といわれていただけにショックでした。

一軒家にお住いの人ならご存じかと思いますが、上の写真のフィルター(コスコで買っています)を室内のファーナスのすぐ横に設置します。

※エアーは右からファーナスに向けて流れているので、フィルターの向きには気を付けましょう。

ウィニペグサプライという会社は前のオーナーに連絡が取れなくなって4年経つといっていました。

毎年、この室外機のフィルターの汚れをクリーンにしてくれて、定期点検もしてくれる契約だったのだそうです。

それが私たちの家になって4年間、手つかずだったわけで誇りまみれのフィルターと劣化したパーツが今回の故障の原因となっていたのでしょう。

「さて、このパーツを直して、もう保証がない状態で運用していくのと、全部を新しくして10年間保証をつけるのとどちらがいい?」

と、聞かれたことは前回のブログでも書きました。

出張技術料とパーツ代をこれから何度も払っていくとなったらおそらく2、3回目の故障あたりで「ああ、新しくして10年保証で無料で修理してもらえばよかった」と後悔することでしょう。

リースでもよいとのことですが、まだこの物件は手放す予定がないので5000ドルと言われている新品を買うことに傾きながら、「正確な値段を教えてよ」と言ったら、「僕は技術者だからその担当のセールスマンが後日詳しく説明するよ」とのこと。結局、修理はなし、室外機も掃除することなくその日を終えました。

ちなみに、壊れた冷房をつけると機械内が完全に凍ってしまうため、冷房を切ったあとは床が氷が溶けた水で水浸しになるので注意が必要です。(どこかから雨水が漏ってきたのかと思いました)故障で凍ったとわかったらもう冷房のスイッチは入れないほうがよく、特に修理や交換が来た時に凍っていると作業ができないため、冷房は使わないようにしておきましょう。

 

4日後、セールスマンが来てくれて状況を確認し、保証書も本部と掛け合ってくれたり、何とか安くできるようにしようとしてくれたりして、結局4,800ドルで新品に交換、さらに作業料もパーツ代も無料になる10年保証(年に一度の定期点検&クリーニング)を付けてくれることになりました。(※ファーナス(暖房部分)はそのままで交換なしです)

交換作業は午前中を希望し、約10日後の6月24日(木)の朝8時から3時間くらいということになりました。

作業員が二人、時間通りにきましたよ。(ウィニペグサプライは今まですべて時間通りでした。珍しい!)

まず、エアコン部分の撤去です。

ファーナスの上の部分に入っていたのは冷却コイルです。

これが新しいコイル。

以下の写真で室外機の上に載っているのが古いコイル。

上の写真の大きな室外機も新しいのに交換されます。(ほこりがたまっているのがこの外観からだと見えないんですよね)

作業員が新しい室外機に替えてくれています。上の写真の右下に見えるのが室外機カバー。

室外機は冷房の時にしか使われないため、もう冷房が使わないと分かった9月終わり頃にはカバーをかけてしまうほうが良いのだとか。日本で一度も室外機にカバーをしたことがなかったため、この家に住んで4年間、室外機にカバーもせず掃除もせず反省しています。

作業員が「古い室外機のカバーはどうする?捨てちゃうの?防水だから買うと高いし、バーベキューグリルのカバーか何かで使ったら?」と提案してくれたため、早速、キャンプ用具を入れてはこぶコロコロに合わせて切ってみました。

うん、悪くない。

妻がすぐにこのカバーを収納できるケースを布から作ってくれましたよ。

これで、いずれサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路を旅する時に雨が降ってきても大丈夫そう。

話はそれましたが、この新品への交換は2時間半で無事に終わって、まだパイプ接続に使った接着剤などのケミカルな臭いが残る中(3時間ほどでその臭いは消えた)、冷房を作動させてみると、2階まで冷気が充分に送られているではありませんか!(嬉)

いままでの冷気の少なさは何だったんだろうというくらい冷えるんです。

バスルームなんてあまりに寒くなるからダクトからの冷気をシャットダウンしましたよ。

今までより電気代も少なく済みそうな予感です。

こうやって前のオーナーの恩恵を受けていたものが自分で管理するようになり、また一つ経験値がアップしたように思います。引き継いだものってよくわからないこと(用途や保証、耐用年数など)が多いですからね。

カナダのエアコン事情なんて関係のない人が見たら面白くもないかもしれませんが、意外とカナダや諸外国に住む人たちで家電などでトラブルがあった時にこのような記事が役立つらしいので書いてみました。(2021年6月現在、カナダマニトバ州での一つの事例にしか過ぎませんが)

ちなみに以前、オーブンのヒーティングエレメント=コイルが点かなくなって交換した際の記事には時たまアクセスがありますよ。

今後、あなたの周りでどなたかカナダのエアコンやオーブンで困った人がいらっしゃいましたらこれらの記事を紹介してくださいね。

お役に立てたら幸いです。

最後に今回の学びや備忘録を共有したいと思います。

1,メンテ契約がなければ自分で室外機のフィルターをガーデニングホースのシャワーなどを使って洗おう。

2,冷房を使わないことになったら使い始めるまで室外機にカバーをかけておこう。

3,故障かなと思ったらすぐに技術者をよぼう。

4,4、5年以内に引っ越しするならリースのほうがお得かも。

5,約5000ドルの支払いはマニトバハイドロがローンを受け入れてくれるけど金利8%は高過ぎると思う。

6,セールスマンや交換してくれた作業員の出張料は別途とられることはなかった(総額費用に含まれてる)

7,安い見積もりでやってくれるサイトを見つけたけど、トロントだった。競争が少ないウィニペグは高いかも。

8,よっぽどのこと(動物の毛の塊、カビによる異臭など)がない限り、ダクトクリーニングをしても意味がないという調査結果があるのだとか。

9,冷房だけで4800ドル。暖房も同じ以上かかり、やがて屋根の修理(3000ドル以上)、そして毎年の住宅保険(約1000ドル)や固定資産税(年間で約2800ドル)なども考えると一軒家の維持費ってバカにならない。

10, 維持管理をしっかりやり、資産価値を高めていくと貸す時、売る時には嬉しいことになりうる。

それでは、また。

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