妻の婦人科絡みの苦労。高プロラクチンでMRI初体験。

※以下の文章は婦人科系のデリケートなお話を含みます。体験談を残すことでカナダで同じような不安を抱えている人へ役立てればという目的で妻の了解を得て編集しています。

約二年前にファミリードクターによる定期検診を家族で受け、血液検査の結果には、

「プロラクチンの数値が少し高い」

と出ていました。

プロラクチンとは、脳下垂体で分泌される女性ホルモンの一種だそうです。

「またホルモン系?」

妻は不貞腐れました。

小さいころから生理不順、妊活時には黄体ホルモンに悩まされ、ホルモンバランスという言葉にもうんざりしてきた経験があるからです。

ファミリードクターは、婦人科専門クリニックを予約してくれて、他にもMRI(磁気共鳴画像)を撮るクリニックの予約までしてくれました。

このような時、ファミリードクターを持っていることの強みがあるように思います。

しかし、この時、ファミリードクターの予約手続きミスにより、MRIを撮るのに2年ほどの歳月が必要になるとはその時に知る由もなし……。

 

まず、婦人科クリニックから「予約ができていますよ」と手紙で連絡が来ました。

妻はあらかじめ通訳を予約しておいたため、電話通訳による対応でなんとか一人で乗り切りました。妻は日本でもよく婦人科に通っていたのですが、「どうして婦人科の先生って厳しいというか偉そうというか、意地悪な人が多いのだろう」とカナダにおいても医者運が悪かったようです。

妻は高プロラクチン問題以外に、生理前になると下腹部が痛くなるという問題があり、そのことを相談すると、

「アデノーマ(良性腫瘍)かもしれないわね」と触診もなく言われたそうです。

「何百、何千とある組み合わせのうち、これらの薬を選んだから、あなたの家の近くの薬局で処方してもらえるようにファックスしておくから明日以降自分で取りに行ってね」とのこと。

勤め先の保険がお薬にもカバーされるので、通常の4分の1くらいの値段で済みましたよ。

薬を飲み始めると、生理が順調にきはじめます。でも、下腹部の痛みはそのままです。

 

そのことを翌年(昨年)の健康診断時にファミリードクターに相談したところ、

「あれ?MRIは撮ったんだっけ?なぜまだなの?」

と、そのドクターが改めて予約を入れてくれようとしたときに、

「あ、ウィニペグ市内のMRIクリニックを選ばなかったからだ(マニトバ内にチェックしていた)」というミスに先生自身が気付きました。

MRIは受けられるクリニックが限られており、しかもいつも予約でいっぱいです。受診が半年先なんていうのは当たり前ですし、夜にしか受診予約があいていないなんてこともあるのです。

ちなみにMRIはファミリードクターからの依頼?紹介?の場合は無料で受けられます。待つのがイヤ、不安だから早く撮ってもらいたいという場合はファミリードクターを通さないで専門クリニックに直接お願いすることになると思いますが、費用は500~600ドル(4~5万円)になるそうですよ。

2年目の健康診断においてもプロラクチンの数値は36と依然として平常値をちょっと超えており、ファミリードクターにMRIの予約を再度入れてもらって、2021年の12月に撮ってもらうことになりました。

2021年の7月から12月までの間が妻にとって特にストレスになったそうです。

なぜなら、あいかわらず下腹部は痛いし、婦人科から処方してもらった薬はもうなくなってしまって、生理不順がはじまったり、妊娠も幼児も関係ないのに母乳のカスがブラについていたり、手がしびれてしまったり、視界に何か見えるような気がしたりと不安要素が増えてきたからです。

ネットで調べようにも、悪いことしか書いておらず、最悪死ぬとかいう内容にいきつくと落ち込みます。仕事を始めたのもこの時期だったため、余計にストレスがたまっていました。

 

12月の中旬、19時からMRIを撮ることになったわけですが、前日には予約確認の電話がかかってきて18時半には来ておいて欲しいとのこと。

(コロナの影響で大病院内のMRIクリニックに行くまでが大変でしたから早く着いていて良かった)

MRIを撮る前になぜかイケメンによる採血がありました。

そして、問診票ではタトゥーはあるか、ピアスはあるかなどを聞かれます。磁気が影響しますから、金属はすべて外してからクリニックを訪れるとよいでしょう。

妻は前歯に差し歯があるため、その金属の部分が温かくなる経験をしたそうです。

宇宙船に乗るような感じに見えますよね。手には非常停止用のボタンが握られています。そして耳にはヘッドホン。先生の指示が時たま聞こえてくるそうです。

「ドゥィーン、キュゥィーン、ドゥィーン……」と絶えず機械音が大きく流れています。検査時間は頭部だけだったため15分くらいですが、動けないわけですから頭に痒いところが出るとちょっと厄介ですよね。(閉所恐怖症(Claustrophobia)の有無も受診前に聞かれます)

15分後に終わればお会計がないため(無料)そのまま帰宅してかまいません。

すぐに帰ろうとしましたが、妻がめまいやだるさ、吐き気といったいわゆる『磁場酔い』(二日酔いに似ている?)になってしまったためゆっくりと帰ることにしました。(2日間で収まりました)

 

無事にMRIを済ませて、数日後にファミリードクターから電話がきます。

「MRIで脳に小さな腫瘍が見つかったんだよ。これはガンではないけど、念のため婦人科の先生をまた紹介するからそこで検査結果をもとに話を聞いてもらいたいんだ」と、心配させることを言っています。

ただでさえ、下腹部の痛みなどから、卵巣の問題か子宮筋腫を疑っているのに、ホルモンや脳にも異常があるとわかったのですから、女性に生まれてきたことに面倒くささや怒りを感じるとともに、子ども達の将来まで考えてしまったそうです。

2022年2月にダウンタウンにあるウィニペグクリニックの9階に私たち夫婦二人で行ってきました。

(病院には見えない古めかしいビル一棟丸まる病院でした)

内分泌科の女医さんが優しく妻に質問をします。

1、最近の生理はいつか

2,初潮の年齢、それから生理は順調か

3,最近まで飲んでいた薬

4,親の病歴

5,いままでの妊娠、出産で問題があったか

それらの質問は、私たちが聞きたい質問にも関わってきます。

下腹部の痛みは高プロラクチンと関係があるのか、

閉経の前兆なのか、

なぜ母乳のカスがでていたのか

など不安に思っていたことをようやく聞ける場になったのでした。

私たち夫婦はあまり英語が得意ではないし、婦人科系の専門用語がわからないため、あらかじめ概要(現状報告や質問)を英語で作っておき、さらに、「もし診断してくださるのならこの紙に書いてください」とお願いしてみました。

すると、先生は

「Polycystic ovary syndrome(略してPCOS)」と書いてくれました。

日本語翻訳を使って調べてみると

「多嚢胞性卵巣症候群」だったのです。

卵巣内に多数の卵胞がたまってしまって、月経異常や不妊の原因になるという症状です。

妻の下腹部が痛いのは卵子が作られているからであって、高プロラクチンとは関係ないとのこと。母乳のカスだけ高プロラクチンと関係しているからこのプロラクチンというホルモンが高い数値のうちは母乳のカスが出るかもしれないと丁寧に説明してくれました。

ファミリードクターの言っていた脳内の腫瘍について聞いてみると、2021年の12月に撮ったMRIの画像を私たちに見せて説明してくれます。

「この下垂体の下にある白く見えるのが6ミリの腫瘍ね(画面中央の矢印の先)。これはガンではないから安心して。珍しい症状でもないし、切り取る必要もないわ。綺麗な脳よ!w」

「薬か何かで小さくするのでしょうか?」

「6ミリくらいだからこのままでも何も問題ないけど、もし1センチ以上になると視神経を圧迫する可能性があるので対策が必要になるわね。今は何もしなくていいけど、年に一回はMRIを撮って大きさを確認しなければならないわ」

Nonfunctioning pituitary adenoma=下垂体腺腫というらしいです。

ネットで調べるとプロラクチノーマという言葉も出てきます。

つまり、この腫瘍があるからプロラクチンの数値が高く出ていたのです。そしてこの腫瘍は次のMRIを撮って大きくなっていない以上問題がないと判断できるため、ようやく夫婦そろってとりあえず安心するに至ったのでした。(ここまで2年以上かかっているw)

ウィニペグクリニックでの診察後、妻は血液検査をしました。

ウィニペグクリニックの先生から「生理が始まってから21日後に血液検査を受けて。このフォームを持って行ってね」と言われていたので、先々週に再び血液検査をしてプロラクチンを測ってもらったわけですが、以前の数値は36で、今回は28にまで下がっていました。測る時期にも影響されるのかもしれませんね。

とりあえず今年の12月にまたMRIを受けられるように、今年の7月にファミリードクター経由で予約をしたいと思います。

このまま妻の脳が6ミリ以下になっていますように……。

いや、違ったw。

妻の脳内のアデノーマが6ミリ以下になっていますように……。

 

最後にこの記事のまとめや婦人科を受けてみての妻の体験を備忘録として残してみたいと思います。

1,以前に処方された婦人科系のピルは写真かメモにとっておくと先生に聞かれたときに対応しやすくなる

2,何日前からこの症状が出た、どのように痛いかなどをあらかじめメモしておき、先生に伝えられるようにする

3,診断してもらうときに、診断名を書いてもらえるようにする(あとで翻訳で調べる用に)

4,自分の生理歴や家族の病歴などは伝えられるようにする

5,通訳を用意してもらえるか、自分で用意したほうがよいか聞く

6,MRIはどの部位(頭だけかなど)を撮るのかあらかじめ聞いておく

7,MRIで脳を撮る日にはアイシャドーをしない、金属を外していくとよい

8,気になる婦人科系の専門用語をあらかじめリスト化しておくと便利

9,基礎体温を測っていても提出を求められたことがない(血液検査で排卵がわかる)

10, 妊娠の予定がない(もしくはある)を早めに伝えると話がよりスムーズになる

11, 苦手な英語を話して伝えようとせず、自分の現状、知りたいこと、質問などの概要(Summary)を手紙にして受診時に先生に伝えるのは効果的だった。

12, 血液検査にしてもMRIにしても、いわゆる検査の場合は結果が出たらファミリードクターからのちほど連絡がくるため、検査が終わったらすぐに帰れるし、自分から結果を問い合わせる必要は少ない。(←問題がない場合は連絡しませんというケースも少なくない)

以上、上記の一つでも同じように婦人科やMRIで不安を感じている人のお役に立てれば幸いです。

それでは、また。

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