デイケアを辞めてから娘の成長を感じる。
最近、家に帰ると娘の友達が遊びに来ていることが多くなりました。
ある日なんか、盛り上がりすぎて「スリープオーバー(お泊り会)をしたいけどダメ?」と聞いてくるではありませんか?
プレイデートくらいならまだよいですが、さすがに急なお泊り会となると親同士が気を使ってしまいます。
「お友達の親御さんも夕飯を作って待っているだろうからそろそろお開きにしたら?」
「え~、スマホで親と連絡して「もっといてもいいよ」と言われているらしいよ」
(いや、こっちはもっといてもよいとは思っていないw)
結局、無難にピザをふるまって、夜には親御さんが車で迎えに来てくれることになりました。
次の日も遊びにきています。(娘も相手の家に遊びに行く日がある)
「学校が終わってからもずっと一緒で、友達とはどんな話題を話したり、何を楽しんでいるの?」
娘に聞いてみることにしました。
「日本語を教えたり、お絵かきを楽しんだりだけど、話す内容は特に覚えていないかな」
とにかく一緒に遊べるお友達ができたことが嬉しいのだそうです。
ちょっと前までデイケアに通っていましたから、学校の後はデイケアで私が迎えに来るまで待たなければなりませんでした。(そもそもコロナ禍だったわけですから友達と放課後に遊ぶなんてことはなかったのです)
その反動もあったのかもしれませんね。
(娘が学校の近くでスクールガードをしていたころの写真)
日本ではデイケアというと通所リハビリテーションという意味になりますが、欧米では託児所、学童保育などの意味となります。地域によってデイケアのサービスや質が違いまして、当たりハズレがあるようです。
まず、デイケアで預かる総人数が決まっているため、保護者側はすぐにデイケアに預けられないという問題があります。キャンセル待ちをして数年経ってようやく預けることができたなんて話がよくあります。
預けられたら安心というわけではありません。問題行動を起こす子どもや、嫌な保育士さんがいて本人が行きたがらなくなることがあるからです。
数か月前の出来事です。
「誠賢は悪くないのに、今日もある保育士さんに怒られていた。いつもの問題児が勝手に転んだだけなのに、近くにいた誠賢のせいにされたんだよ」
娘は弟である誠賢が理不尽に怒られているのが許せませんでした。そして彼女自身も先生から頭ごなしに怒られことに失望していました。やがて「部屋の隅で本を読んでいても怒られるし、小さい子ども達に朗読してくれと頼まれるし、保育士さんによって言っていることが違っているし」など、不満だらけになっていったのでした。
そしてある日、いつものように「外にいる時は着てきたジャケットを着て、ジッパーをあげておきなさい」とデイケア側から言われ、子ども達にとっては暑くて着ていられないような日中の温度なのに(朝晩は寒いけど)上着を着なければいけないのが苦痛になり、バックパックに上着を隠すようにしていたら、それらの行為がデイケア側からしたら『反抗的な態度』ということになり「もっと保育士をリスペクト(尊重)すべき」というようなメールが私に届いたのです。(上着着用の強制は風邪をひかせたくないという意味でありがたいことですが、暑がりの子ども達にとっては拷問のようなのです)
そのことを詳しく聞いてみると、娘は泣きながら「あのデイケアに入ってきた保育士さんは、はじめはとても良い人なのに、段々あのデイケアのやり方に染まってしまってみんな怒鳴るように指示してくるようになるんだよ」「あっちがそんな態度ばかりとってくるからこっちも反抗的になっちゃうんだ」などとうったえてきました。
この事例は他の親御さんからも聞いたことがあります。「あそこは子どものためといいながら、保身のために怒りちらしているからね」「あるモンスターピアレントに保育士さんが怒られて、それから厳しくするようになったって噂だよ」
いずれにしても、妻と相談し、「子ども達が傷ついている以上、このデイケアに通わせるのはやめよう」という結論に達して、すぐにそのデイケアを辞めることにしました。(すぐにやめたとしても2週間前通告が必要とのことで、2週間分の料金は払わなければいけない契約でした)
私と娘と日本語で話していると注意してくる割には、自分だってロシア語でほかのロシア人親子と話しているなんてことがあったし、提供してくる軽食がとにかく不味いなんて話も聞いていたので、ハズレのデイケアだったのではないかと思っています。
こんなことがあってから改めて考えてみると、日本から保育士としてカナダのデイケアで働いている人は本当に大変な職場で働いていらっしゃるなと感じます。スタッフ間の人間関係もさることながら親御さんたちにも気を遣わなければならないし、そしてなによりワンパクな子どもたちに悩まされるわけですからね。もし、日本人が運営するデイケアがあったら、きめ細やかな対応でおそらくものすごく評判がよくなると思うのですけど、そうとうメンタルが強い人じゃないと難しいかもしれませんね。
話はそれましたが、娘にとって『あのデイケアと戦い、自分の意見を伝え、辞めることができた』という成功体験は今でも武勇伝になっていますし、自分で居心地を勝ち得たからこそ、今現在のびのびと放課後に友達と遊んでいるのだと思います。
来月には娘の友達がスリープオーバーでうちに泊まることでしょう。
「今週末は何する?サイクリング?」
などと私に聞いてきてくれたことが懐かしいです。
今では、ほとんど下に降りてこないで自分の部屋で友達と遊んでいますからね。
なんだか寂しいですが、これから私たち夫婦の子離れの練習がさらに加速するのだと感じています。
キャンプに行く日だけは「私は友達と遊んでいる」と断ってほしくないけれど、娘にとって大切な時期なので友達優先でこれからの暖かくなっていく時期を楽しんでもらいたいと思います。
それでは、また。
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