夏至の日、カナダはNational Indigenous Peoples Day(先住民族の日)になります。

夏の初め、バーズヒルという州立公園ではサスカチュワンベリーというブルーベリーに似た実を採りに来る人たちが見かけられます。(以前のその時のブログはこちら

州立公園ではこのようなフルーツピッキングは禁止されているはずですが、バケツを持って堂々と道沿いの樹のベリーを採りまくっているのです。うらやましいw。(小心者なので真似できない)

サスカチュワンとは、マニトバ州の西隣りにある州のことで、州都はレジャイナ、人口が最も多い都市はサスカトゥーンといいます。サスカチュワンもサスカトゥーンも可愛らしい名前ですよね。

可愛い名前とは裏腹に、サスカチュワンの犯罪率はマニトバ州と同じかそれ以上の高さを示しています。(←カナダでトップクラスということ)

広大な平野(プレーリー)でつながっているため、サスカチュワンで犯罪を犯したのち、ほとぼりが冷めるまでマニトバ州に潜伏するとか、逆にマニトバ州で犯罪を犯してサスカチュワンに逃げ込むなんていうことがあり、たまにニュースで報じられています。

マニトバ州の犯罪率の高さを話す際、避けては通れない問題は、先住民問題です。

ちょっと話はそれますが、先日、6月21日の夏至の日は、National Indigenous Peoples Dayでした。

Indigenous(インディジナス)とは、ファーストネーションズとか、イヌイット、アボリジニとか呼び方がありますが『先住民族』という意味でして、先住民族の文化や歴史を見直す日となっています。

子ども達の学校でも6月21日は、Bannock(バナックと聞こえたけど、日本ではバノックとして知られているのかな?)いうイースト菌を使わないで作られたパンがふるまわれたり、独特の声と太鼓リズムでパフォーマンスされるダンスのショーがあったりと先住民族の伝統文化を体験できたそうです。

先住民に対する差別や、先住民族が追いやられてきた歴史などについてはその時に教わらなかったそうですが、いずれしっかりと学ぶのかもしれません。

 

先日、私の友人がインディジナスの若いグループにお金を奪われそうになり、さらに顔を殴られるということがありました。このように被害者が身近に現れると他人事のように「彼らには彼らの事情があるのだろう」とは言いづらくなってきます。

私がカナダの歴史を知らなかったし知ろうとしないというのもありますが、正直あまり先住民に対して良い印象を持っていません。(もちろん良い人もたくさんいますが)

最近も大声でFワードを叫んでいるジャンキーらしき人や、注射針を使っていて手が血だらけになっている人も見ました。(この時期に限らずよくあることですが)

(上の写真はダウンタウンの街中でたまに見かける光景です)

『彼らは国から補助を充分にもらっているからそれほど働かなくてよい→だから酒やドラッグにおぼれやすい』などの偏見もよくみられます。

これら先住民問題は話すことが憚れるほどタブーになっていて、どのように接したらよいのか、どう考えていったらいいのか悩ましい問題になります。(←勉強すればいいのですが、そこまで優先順位があがってこない)

日本に似ている面があるとすれば、同和問題(部落差別)といったところでしょうか。この同和問題も語るだけでやけどするかもしれないデリケートさや奥深さ、そして闇のようなタブーさを持っているように感じますからね。(ところであなたは海外から日本に移住している外国人に同和問題や部落差別について勉強してもらいたいですか?)

 

前にブログでも書きましたが、一昨年のちょうどこの時期、顔に傷がある中年のインディジナスの人から喧嘩を売られました。

あっちが怒声と空き缶を投げるという絡み方をしてきたから、こっちも殴り返そうとしたら(←絶対ダメ。でもあっちがすでに間合いにいたから仕方がなかった)すぐ、すごく私を怖がりました。基本的に臆病なのだと思います。つたない英語で「ストレスフルなんだよ」とつぶやいて彼はバスに乗っていきました。

彼らをみていて常に思うのは『やり場のない怒り』を抱えているということ。

それらは歴史や屈辱、酒やドラッグなどの影響もあるのでしょう。(でも、犯罪は許されることではありません)

正直言って、私が何ができるかわからないし、我が家の優先順位を考えると見守るくらいしかできないのですが、例えばマニトバ州の治安の悪さをブログに書いたり、誰か日本人に語ったりする際に、先住民族の犯罪率の高さだけを語るのではなく、彼らがなぜ犯罪を犯す率が高いのかを説明しながら、どうしたら犯罪に巻き込まれないで済むかという話をするようにしています。

・夜のダウンタウンには極力行かない、

・大声で叫んでいる人がいたら道を迂回する、

・少年少女のグループが近づいてきたらすぐその場から逃げるなど。

犯罪の低年齢化や、ギャングのようなグループ犯罪が多いのもマニトバ州やサスカチュワン州の特徴だと思います。

(下の写真は先月、事件があったようで警察が道路を封鎖しています)

「見知らぬ人をナイフで刺すことがグループに認められる儀式になっている」という噂を聞いた時にはすぐには信じなかったのですが、今年もナイフで刺される事件が多かった(3か月で13件)ことから本当なのかもしれないと思っています。

それと、以前のブログでも書きましたが、ギャングと同じような服装や帽子の色などをしていると襲われやすくなるので気を付けましょう。(例えば単色で無地のニット帽をかぶっていると、あるギャング団が帰属意識を高めるために着用している色と一致している場合、対抗するギャング団からその帽子を目印に襲われてしまう)

このように書くとウィニペグ全体が治安悪いように思われると思いますが、犯罪の多くがダウンタウンから北地域のギャング抗争によるものでして、そこでもギャングにならざるをえなかった人たちがやり場のない怒りをたぎらせています。

彼らのやり場のない怒りにどれだけ寄り添えるかを考えて、カナダ政府は、6月の夏至の日のNational Indigenous peoples dayと、9月30日のThe National Day for Truth and Reconciliation(真実と和解の日)にオレンジシャツを着ることで歴史や文化を見つめなおすキッカケとする日を制定したのだと思います。(日本でも例えば『部落差別・同和問題の日』というような日が制定される可能性はあるのでしょうかね)

ウィニペグはカナダで先住民人口が最も多く、人権博物館があり、カナダの歴史を考える、実感するには良い地域なのだと思う一方、犯罪率の高さや冬の寒さ・長さの問題などもあって誰にでもおすすめはできないところだとも感じています。

しかしながら、私はここマニトバ州ウィニペグが大好きです。

あまりに好きなので、最近以下のような絵画をある作家さんから購入してリビングに飾っています。

この絵について、いずれこのブログで書いてみたいと思います。

それでは、また。

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