カナダ・マニトバ州ウィニペグで一軒家にまつわる大きな出費たち
9月16日(月)の朝に突然それは起こりました。
誰も使っていないはずなのに、水道の水が出しっぱなしのような音が聞こえるのです。
猫たちが洗面所でいたずらをしたのか?あるいはトイレの水が流れっぱなしなのか?
洗面所でもキッチンでもなく、よく起こるトイレのタンクの水が貯まらずに流れっぱなしだというわけでもありませんでした。
もしかしたら水道管から漏れているのか?と音がするところをさらに特定していくと、ベースメント(地階)のようです。
ベースメントのランドリーのほうのドアを開けてみてビックリ。
床が水浸しで浅い湖のよう……。
8月のキャンプに行った際のWatchornの湖を思い出しました。(詳しいブログ記事はこちら)
どこから漏れているかすぐわかりました。
湯沸かしタンク(以下、給湯タンク)の底あたりから漏れていたのでした。
日本や他の国のように瞬間湯沸かし器のシステムがほとんどないマニトバ州ウィニペグでは、いまだにタンクで沸かすのが主流になっています。オープンハウスなどで不動産を見に行くとたいてい大きなタンクがベースメントに置いてあります。
我が家は前のオーナーからタンクを引き継いで7年以上使わせてもらっていました。
以前、家に来てくださった先輩日本人ウィニペガーの方が、
「このタンクって換えるときに床がびしょ濡れになるかも」と言っていたのを思い出しました。
ほんと、びしょ濡れで久しぶりにカーペットの水を吸い取ってくれるくらい強力な業務用の掃除機が役立ちました。
いままで、様々な試練、洗礼を受けてきましたが、久しぶりに大きな出来事&出費になりましたよ。
ちなみに、一軒家を買ってからの試練や洗礼とはどのようなものがあったかといいますと…、
1,セントラルヒーティングシステムの冷房部分が壊れる・・・約4,800ドル(日本円で現在約50万円)
2,ガレージのオーバーヘッドドアが壊れる・・・346ドル
3,バスタブの詰まり。水が流れない・・・190ドル
4,約3年に一度の下水管の詰まり・・・369ドル
5,前のオーナーから引き継いだ洗濯機と乾燥機が寿命・・・約1,800ドル
そのほか、様々なDIYやリフォームをした出費や固定資産税や住宅保険がのしかかってきますからほんと洗礼というか、もうサバイバルです。
一方で、これだけ場数を踏んでいると、今回のような急に壊れた場合でも冷静に対処することができました。
まずガスのスイッチをオフにします。そして、上の写真の右上の丸の中のような水道栓のバルブを閉じます。そうしないとずっとお湯を作ろうとして水(とガス?)が使われっぱなしになりますからね。
ということは、水が漏れていることに気づかないとかなりの水道料金になってしまうということなのです。
今回の場合、朝起きてから水が漏れていることに気づいて、いつから漏れていたのかわからないため、3か月に一度の上下水道の請求書がくるのが今から怖いです。
なにしろ40ガロン(151リットル)のタンクですから、少なくとも40ガロンは漏れている可能性が高いわけです。
水道料金のほかにも、修理代、もしくは新しい給湯タンクの費用がいくらかかるのかで冷汗が出てきます。
朝7時に異変に気付いて、タンクのガスと水道を止めて、その次にはウィニペグサプライといういつもお世話になっている業者さんに電話をして現状を説明することにしました。
その日の夕方の4時半にきてもらう予約を入れることができてラッキーでした。
まずウィニペグサプライから技術者が出張して現状をみるだけで125ドル(プラス税)かかると受付の女性から説明がありましたが、その後男性スタッフから電話があって「何年使っていますか?」「どのような症状ですか」など詳しい説明をしているうちに、新しいタンクを買ったほうが良いという話になり、販売担当のかただけが16時30分にくることになったのでした。(修理箇所を見てもらうわけではないので出張費125ドルは払わずに済みました)
早口の英語に辟易しながらも、親身になってよいプランを提示してくれるからありがたいです。
私はタンクレス(瞬間湯沸かし器)に興味があることを伝えたのですが、その価格やメンテナンス費などを考えると割にあわないことがわかってきました。4人家族だと40ガロンタンクで充分だし、6人家族くらいからタンクレスを考えたほうが良いというような提案をしてくれましたよ。
タンクにしても安くありません。スタンダードプランで40ガロンのタンクを新品で買うと約2800ドル。
これはパーツ保障やレイバー費割引があるそうなのですが、もし故障になった場合のスタッフ出張費はやはり125ドルかかってしまうそうです。
そこで、買い切り(一括払い)より、レント(リース)はどうかと勧められます。
私は買い切りのほうが好きなので断ったのですが、
「毎月約34ドルでしかも出張料を支払わずにメンテナンスを受けられるし、このプランだと300ドルのギフトカードが今ならもらえるし、34×12か月=1年で408ドル、もしタンクの最短寿命の7年で計算すると7×408で2856ドルだから悪くないと思うんですよ。うちの会社のお客様の8割以上がこのプランに入っていますから……」と怒涛の営業トーク。
分割にすると高いというイメージがありましたが、メンテナンス費などを考えたら充分割に合う金額だったためリースにすることにして交渉成立です。翌日に設置してくれることになったのは、ラッキーです。(午前10時から正午までの間に作業員が来てだいたい4時間くらい設置するのに時間がかかるとのこと)
その日の夜はシャワーが浴びられないし、キッチンでお湯が使えず不便な思いをしたおかげで、今までいかに恵まれていたのかを家族で実感することができました。
翌日は職業訓練センターを休むことにして、作業員を待ちました。
午前10時から待機していましたが11時半ごろに到着して作業をしてくれます。
ベースメントまでに防水シートを敷いてくれて、大きな新しいタンクをベースメントに一人で運んでいます。作業員が一人しかいなかったので心配しましたが、一人で設置から、古いタンクの回収まですべてやってくれましたよ。
タンクの位置を変えたことによって、ガスや熱い湯気の排気口を作らなければならず壁に穴をあける作業が特に大変そうでした。(タンクの位置を変える必要があったのは『電源(コンセント)が近くになかったから』。延長コードを使ってはダメなんですって。それと、排気を煙突に通じるようにしていたのですが、古くからの煙突を使うと霜や一酸化炭素の問題が起こりうるから新しい排気口を作ったほうが良いということになりました)
水道管やガス管も延長していたのも大変そうでしたがこれらも含めて追加手数料がかからなくてありがたかったです。
外壁に新しい排気口が完成して作業がすべて終わりました。実に5時間もかかっていましたよ。
作業中は水道の元栓を閉めていたため、水が使えなくて(トイレが流せなくて)不便でしたが、子どもたちも猫たちも協力的で団結力が強くなったし、なによりタンクが壊れてお湯が出なくなっても次の日の夕方には解決していたというスピードの速さ・運の良さを家族皆で喜びました。
「もし、夏場でバスルームが使えなくなったら、近くのバーズヒル州立公園のキャンプ場のシャワー(3分1ドル)を使えばいいんじゃない?」と妻が言っていたのが面白いアイディアで感心しました。
カナダで一軒家に住んでいる人と今回のことを話していると、
「給湯タンクの次は、十年に一度の屋根の張替えだね」と言っていました。
まだ2,3年は大丈夫かと思いますが、見積もりだと最低でも3,000ドル以上はするかもとのことで今から屋根修繕貯金をしておきたいと思っています。
カナダにお住いの方で、今回の一軒家についてのブログ内容で、もし一つでも何かあなたのためになったことがあれば嬉しいです。
それでは、また。
追記:設置してもらって3,4日後にマニトバ・ハイドロ(電気・ガス会社)からメールと電話がかかってきました。
「新しく設置したタンクのガスが漏れていないか調べるため、インスペクター(検査員)を派遣するので希望する日時を予約してくれ」とのこと。
夕方4時から夜の8時までに伺うという予約になり、7時に検査員が来ました。たったの3分で終わりましたよ。